2000 Fiscal Year Annual Research Report
新規のポルフィリン誘導体を触媒とする色素の効果的な酸化漂白
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12780086
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Research Institution | Osaka Kun-ei Women's Junior College |
Principal Investigator |
徳田 順子 大阪薫英女子短期大学, 生活科学科, 講師 (40291877)
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Keywords | 酸素系漂白剤 / 触媒 / ポルフィリン誘導体 / 色素 / 酸化漂白 / 固定化 |
Research Abstract |
繊維や河川の汚れ除去に漂白剤の役割は重要である。しかし近年、塩素系漂白剤がダイオキシン生成の一因となることが指摘され、環境保全の面から酸素系漂白剤の利用が注目されている。本研究では、繊維や環境にやさしい酸素系漂白剤の有効利用のために、できるだけマイルドな条件で活性化でき、取扱いやすく、また、回収が可能な諸種のポルフィリンの金属錯体を新たに合成し、触媒として使用することを試みた。新規なポルフィリン誘導体としては、ポリマー(ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミシなど)と結合したポルフィリン誘導体を合成した。また、マンガンポルフィリン誘導体を脂質二分子膜などの超微粒子の小胞(たとえば固定化リポソーム)に内封した。これらを用いて効率よく触媒作用を行い、着色水の脱色や、色素の汚れの漂白効果を研究した。それらを触媒としてpH8.0という温和な条件で過酸化水素による色素の漂白を行った結果、過酸化水素のみではほとんど色素の退色がみられなかったが、ポリマーと結合したポルフィリン誘導体存在下では色素の退色が促進された。ポリマーの効果は、ポリエチレンイミンのほうが大きく、イミダゾールやピリジンなどの軸配位子を共存させると、さらに色素の退色が促進された。マンガンポルフィリン誘導体を脂質二分子膜などの超微粒子の小胞(たとえば固定化リポソーム)に内封した結果、pH8.0という温和な条件で過酸化水素による色素の漂白を促進させることがわかった。さらに、軸配位子の添加効果、ポルフィリン誘導体の構造の影響など、この系における触媒効果について研究を進める計画である。
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