2000 Fiscal Year Annual Research Report
青果物の甘味調節におけるエタノールの利用に関する基礎研究
Project/Area Number |
12780098
|
Research Institution | Tokyo Kasei Gakuin University |
Principal Investigator |
清水 理子 (片平 理子) 東京家政学院大学, 家政学部, 助手 (70204427)
|
Keywords | エタノール / 糖含量 / 甘味 / ジャガイモ / キウイフルーツ / スイートコーン / 枝豆 / 栗 |
Research Abstract |
平成12年度はエタノール(以下Et)処理により糖含量が上昇して甘味が強くなり品質が向上する青果物の選択と,実用に適したEt処理方法の決定を目標として研究を進めた。 Et処理(カッコ内は処理条件,貯蔵条件は5及び22℃で1〜3週間)による効果の有無を,スイートコーン(茎部から5及び10%Etを6及び24時間吸収させた),枝豆(枝付きで2及び4時間蒸気処理,さやで100%Etに1〜30分浸漬処理),ジャガイモ(100%Etに4時間浸漬処理),栗(20〜100%Etに0.5〜4時間浸漬処理),キウイフルーツ(8時間蒸気処理,50及び100%Etに2〜8時間浸漬処理)の5種の青果物について検討したが,青果物の種類によってEt処理の影響は多様であった。スイートコーンでは,青果物が元々持つ甘味を更に強めることはできず,栗では処理により苦味物質が生成され本来の味が損なわれた。枝豆ではEt処理により黄化を抑え加熱後の可食部(豆)の緑色が濃くなる傾向と,甘味が強くなる条件(3分浸漬・5℃貯蔵)が得られたが,収穫期が短い上,入手までの期間や産地により再現性良く実験を行う事が難しいという問題点も明らかになった。キウイフルーツでは,Et処理(50及び100%に8時間浸漬)により5℃貯蔵で甘味がやや強くなった。ジャガイモでは処理後22℃で3〜7日間貯蔵中にショ糖含量が約2倍に増加し,その後処理前のレベルに戻った。 以上の結果から,実用化レベルでEt処理により品質を顕著に向上させるのは難しい事がわかったが,ジャガイモとキウイフルーツで糖含量と甘味に影響を及ぼすEt処理条件が得られたので,これらを平成13年度に計画しているEt処理による甘味調節機構を調べるための条件とする。
|