2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12780133
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
有元 典文 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (30255195)
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Keywords | 学習 / コンピュータ教育 / コミュニティ |
Research Abstract |
コンピュータ利用実践のなかで、利用者がいかにコンピュータ利用に関わる学習を達成していくか、ビデオによる行動観察を中心としたエスノグラフィックな調査を行った。初年度は、さまざまな学習場面とコンピュータ利用実践場面から調査対象となるものを選定し、その後コンピュータ利用実践場面の観察および活動のビデオ記録を行った。それぞれの場面で、利用者が何をどのようにして学習したと感じるかを、学習を巡る語りと行為のビデオ記録から記述した。ビデオ記録は次年度コンピュータを用いた分析(プロトコル起こし・行動分析を含む)を行うため、コンピュータから制御可能なデジタルビデオカメラを用いた。観察対象は、コンピュータ等情報機器利用活動において学習が可視化される場面(何かを憶えたという発話、行動が変化したというしるし)を特に記録するように試みた。これまでの調査で明らかになったことは、学習が教室場面のように「レッスン的」に進行する場合と、活動中心のコミュニティのなかで進行する場合に大きくわかれることである。前者のレッスン的場面では、個人の能力に焦点が当てられるような教育的やり取りが行われており、後者の活動中心のコミュニティでは、作品作りが主たる活動となり個人のスキルの評定は重要なこととはなっていなかった。このことは従来レッスン的な教授法が中心的であった学校教育において示唆的なことであり、作品化を目指す活動中心のコミュニティを組織することの重要さを示すと考えられる。
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