2001 Fiscal Year Annual Research Report
非線形構造の探索・抽出のためのノンパラメトリック回帰とその有用性の研究
Project/Area Number |
12780177
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
坂本 亘 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (70304029)
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Keywords | ノンパラメトリック回帰 / スプライン平滑化 / 罰則付ぎ最尤推定法 / 制限付き最尤推定法 / 周辺最尤推定法 / Bayes流接近法 / 線形混合効果モデル / 平滑化パラメータの選定 |
Research Abstract |
ノンパラメトリック回帰の代表的な方法であるスプライン平滑化では,平滑化パラメータが推定関数の滑らかさを制御する.本研究では,制限付き最尤推定法(REML)による平滑化パラメータの選定方式に着目し,非線形構造の探索・抽出という観点からその性能評価を行った.そして,REMLによる選定方式を用いることで,スプライン平滑化が探索的データ解析の有用な道具となる可能性を追求してきた. 13年度の研究で得られた知見・成果は以下のとおりである. 1.シミュレーションによるREMLの性能評価 REMLによる非線形構造や相関構造の抽出能力,さらに関数および分散・相関パラメータの推定性能を評価した.その結果,REMLは非線形構造をほぼ適切に抽出し,相関がある場合にもこれを適切に検出することができること,さらにREMLは標本サイズが比較的小さい場合にも有用であることがわかった.平滑化スプラインとREMLの組み合わせにより,ノンパラメトリック回帰は非線形構造の探索・診断を行うための道具としての有用性をもつといえる. 今後は以上の成果について学会発表や投稿論文による報告を行う予定である.加法モデルや交互作用モデルなど種々のモデルヘのREMLの適応とその評価についても今後の検討課題としたい. 2.非正規型ノンパラメトリック回帰モデルヘのREMLの適用についての考察 非正規型平滑化スプライン・モデルを一般化線形混合効果モデルによって表現し,回帰関数を求めるための反復方程式に基づいて構成される近似的な制限付き対数尤度を最大化する.簡単な数値実験を行ったところ,観測が同じ説明変数値で反復される場合にはREMLによって平滑化パラメータが良好に選定されるのに対して,異なる説明変数値において観測される場合にはやや滑らかな関数を推定することがわかった. 今後は上記の問題点の改良を行い,より包括的な性能評価を行う予定である.
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