2000 Fiscal Year Annual Research Report
大規模最適化問題に対する並列実行ソフトウェアの開発と実証実験
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12780215
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤澤 克樹 京都大学, 工学研究科, 助手 (40303854)
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Keywords | 半正定値計画問題 / ソフトウェア / 非凸型最適化問題 / 広域高性能計算 / 主双対内点法 / 逐次凸緩和法 |
Research Abstract |
近年注目されている広域高性能計算技術を用いて一般の非凸型最適化問題を解くことができる逐次凸緩和法(Successive Convex Relaxation Method:SCRM)アルゴリズムの並列化を行なった.SCRMは一般的な非凸型最適化問題に対する大域的収束性を有する方法で,これを広域高性能計算システムに実装することにより,これまで個別に扱われることが多かった非凸型最適化問題全体に対する汎用性のある計算手法を提供することが可能になった. 具体的には,数理最適化問題アルゴリズムである半正定値計画問題(Semidefinite Programming:SDP)に対する主双対内点法ソフトウェアSDPAを,専用クラスタ計算機の広域連合によって広域分散並列化してSCRMを実現することによって従来では達成されなかった大規模で複雑な非凸計画問題を解くことに成功した.これらの非凸型最適化問題には,0-1二次整数計画問題,二段階線形計画問題,分数計画問題,非凸型二次計画問題などの実用的な数理計画問題が多く含まれている. SCRMでは,各ステップの緩和計算に複数のSDPAソルバを並列に実行して解を求める.このため,複数のSDPA問題の生成,各計算ノードへの並列割り当てと計算,並列部分解の収集を繰り返すというアルゴリズムになるが,本研究ではアルゴリズムを改良して各計算ノードへのデータ転送量を減らすなどして並列効果を上げることによって,128ノード場合には,90倍以上の高速化を達成することができた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 藤澤克樹,武田朗子,小島政和,中田和秀: "半正定値計画問題に対するソフトウェアSDPAの広域並列計算システム"統計数理研究所共同研究レポート;最適化モデリングとアルゴリズム14. 135. 215-222 (2000)
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[Publications] A.Takeda,K.Fujisawa,Y.Fukaya and M.Kojima: "A Parallel Successive Convex Relaxation Algorithm for Quadratic Optimization Problems"The Institute of Statistical Mathematics Cooporative Research Report. 135. 238-258 (2000)
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[Publications] K.Nakata,K.Fujisawa,M.Fukuda,M.Kojima and K.Murota: "Matrix Completion and Semidefinite Programming"The Institute of Statistical Mathematics Cooporative Research Report. 135. 223-237 (2000)