2001 Fiscal Year Annual Research Report
悪意ある攻撃に対してデータの安全性を保障する高信頼多重化データ管理方式の研究
Project/Area Number |
12780224
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
土屋 達弘 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 講師 (30283740)
|
Keywords | クォーラムシステム / ビザンチン故障 / ビザンチンクォーラムシステム / データ多重化 / 可用性 |
Research Abstract |
クォーラムシステム(quorum system)はノードを要素とする特殊な集合族であり,ネットワーク上の多重化データを管理する機構として用いられている.この概念を拡張し,データの改竄等の悪意ある攻撃(ビザンチン(Byzantine)故障)に耐えられる様にしたビザンチンクォーラムシステムが注目を集めている.本研究では,攻撃されるノード数の上限とネットワークの構成要素の故障確率を入力として,どのノードが攻撃されたとしても攻撃されたノード数が与えられた値以下であれば,データが改竄されたり不整合を起こしたりしないことを保証し,かつ,ユーザがデータを利用できる確率(可用性)を最大にするビザンチンクォーラムシステムを出力するアルゴリズムを開発した. 具体的には,データの可用性に関して最適なビザンチンクォーラムシステムを求める問題を,整数計画問題として定式化することに成功した.このことにより,分枝限定法を用いて最適なシステムを構成することが可能となった.実際に,この問題を解くプログラムを完成させ,適用実験を行った.その結果,攻撃されるノードが1台か2台の場合であれば,全体で約10台までのサーバ集合を対象として最適なシステムが導出できることが分かった.また,提案手法によって得られる最適なビザンチンクォーラムシステムが,既存のシステムに比べどの程度優れているのかを定量的に評価した.その結果,各サーバの信頼性に幅がある場合,提案手法と従来の構成法とでの得られる可用性の差が特に大きくなることが分かった.また,この評価結果に基づいて既存の構成法であるThresholdの改変案を提案し,同様な比較評価によって提案法で得られる最適値に極めて近い可用性が得られる場合があることを示した.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 土屋 達弘, 菊野 亨: "Byzantine Quorum Systems with Maximum Availability"Information Processing Letters. (未定).
-
[Publications] 小林 慎和, 土屋 達弘, 菊野 亨: "Minimizing the mean delay of quorum-based mutual exclusion schemes"Journal of Systems and Software. 58・1. 1-9 (2001)