2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12780236
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤原 暁宏 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (10295008)
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Keywords | 並列アルゴリズム / P完全問題 / 並列分散処理 / 計算量理論 / 並列化困難性 |
Research Abstract |
並列化困難と思われているP完全問題の並列性について,本年度は以下の様な成果を得た. (1)P完全問題の並列性を検証する指標の提案と,シミュレータの開発 P完全問題の並列性を検証するため,従来普及しているPRAMモデルに基づき,P完全性をあらわす指標の提案を行なった.次に,その指標を用いることにより,辞書式順極大3和問題,キューを用いた幅優先探索,凸層問題,可視層問題といったP完全問題について,それら問題の持つ並列性を表現できることを理論的に証明した.また,その並列性を表す指標を元にした並列計算モデルのシミュレータを設計し,現在Windows上で動作するアプリケーションとして製作を行っている. (2)P完全問題に対するコスト最適な並列アルゴリズムの提案 (1)にて提案を行った並列性を示す指標を用いて,上記に示したP完全問題について漸近的に効率のよい並列アルゴリズムの提案を行った.これらのアルゴリズムは,時間計算量と使用プロセッサ数の積が逐次処理の時間計算量と等しいコスト最適なアルゴリズムとなっており,これらのP完全問題については理論的に最適な並列アルゴリズムが存在することを証明した.また,これらのアルゴリズムを複数台のPCを用いたクラスタ並列処理環境に実装し,アルゴリズムの実用的な高速化を計測する実験を行った.実験より,実用的にもクラスタ並列処理においてこれらのアルゴリズムが効率よく実行できることを示した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 藤原暁宏,陳慰,増澤利光,都倉信樹: "2分木の平衡分解木を求めるコスト最適な並列アルゴリズム"電子情報通信学会論文誌(DI). J82-D-I(4). 90-98 (2000)
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[Publications] T.Ishimizu,A.Fujiwara,T.Masuzawa,H.Fujiwara: "Parallel algorithms for the all nearest neighbors of binary images on the BSP model"IEICE Transactions on Information and Systems. E83-D(2). 151-158 (2000)
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[Publications] A.Fujiwara,M.Inoue,T.Masuzawa: "Parallelizability of some P-complete problems"Proc.Workshop on Advances in Parallel Computational Models. LNCS1800. 116-122 (2000)
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[Publications] 中島孝明,藤原暁宏: "P完全問題に対するコスト最適な並列アルゴリズム"並列処理シンポジウム(JSPP2000). 35-42 (2000)
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[Publications] A.Fujiwara,M.Inoue,T.Masuzawa: "Parallel selection algorithms for CGM and BSP models with application to sorting"情報処理学会論文誌. 41(5). 1500-1508 (2000)
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[Publications] C.D.Castanho,W.Chen,K.Wada,A.Fujiwara: "Polynomially fast parallel algorithms for some geometric P-complete problems"Proc.Workshop on Computational Geometry. (2000)