2000 Fiscal Year Annual Research Report
トランザクションの到着順処理を可能とする分散並列型同時実効制御の実装
Project/Area Number |
12780314
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小林 真也 愛媛大学, 工学部, 助教授 (10234824)
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Keywords | 分散処理 / トランザクション処理 / データベース / 同時実効制御 / 並列処理 |
Research Abstract |
平成12年度に行った主な研究成果は以下の通りである. (1)分散環境におけるトランザクションコミットメントアルゴリズムの提案 分散並列型トランザクション処理システムにおいて,トランザクションのコミットメントを行うために必要となる,処理中トランザクションの最小時刻印決定アルゴリズムとして,階層マルチリング型アルゴリズムの提案を行った.このアルゴリズムは,システム内のノードをいくつかのグループに分け,各グループでノードをリング状に接続し,さらに,各リングを階層的に接続する.そして,各リングを巡回するトークンに,各ノードが局所的な実行中トランザクションの最小時刻印を書き込み,その情報をより上位のリングに伝えることで,最上位リングでシステム内での最小時刻印の決定を行う.なお,研究成果は,情報処理学会の論文誌に掲載された. (2)計算機クラスタ型並列計算機への実装 計算機クラスタ型並列計算機である,FUJITSU AP3000上に,分散並列型トランザクション処理システムの実装を行った.なお,実装したシステムは,当初の予定通り,コミットメント法として,集中型アルゴリズムを採用したものである.現在のところ,取り扱えるデータの型の制約があることと,トランザクションの記述形式が低水準言語であるなどの制約があるが,データベースやイベントドリブンシミュレーションのようなトランザクション処理システムの持つべき基本機能は有している.今後は,他のコミットメント法の実装を行うとともに,それぞれの方法での性能評価を行っていく予定である.なお,研究成果の,学会での発表(Hl3年度第1四半期)の準備を進めている.
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Research Products
(1 results)