2000 Fiscal Year Annual Research Report
貯水池に流入する土砂の予測シミュレーションに関する研究
Project/Area Number |
12780346
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
里深 好文 京都大学, 防災研究所, 助手 (20215875)
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Keywords | 貯水池堆砂 / 侵食・堆積速度式 / ダイナミックウェーブモデル / 混合砂礫床 |
Research Abstract |
本研究では、まず、混合砂礫を用いて貯水池堆砂の進行過程に関する水路実験を行った。高瀬ダムを対象として1/100スケールの模型水路を作成し、洪水流量に対応する3000cm3/sの給水条件、22cm3/sの給砂条件の下で貯水池堆砂の進行過程を追跡した。使用砂礫の最大径は1cm、最小径は0.01cmとし、河床形状の時間的変化と堆砂内部の粒度分布が計測されている。 実験の結果、堆砂の先端部において粒径の大きい砂礫がより前方へと転がり落ちる現象が確認され、これが河床堆積物の鉛直方向の粒度分布に大きな影響を与えていることが明らかになった。 ついで、上記の水路実験に対して1次元数値シミュレーション法を適用した。本シミュレーションモデルは、土石流・掃流状集合流動・掃流砂・浮遊砂・ウォッシュロードといった様々な土砂の輸送形態に適用可能となっており、ダイナミックウェーブ法を用いているため、貯水池内部の堆砂の進行過程を比較的良好に再現できた。 さらに、堆砂先端部における砂礫の分級現象をモデルに組み込むため、河床表層の平均粒径と流入土砂の粒径との大小に応じて堆積速度を再評価する方法を提案した。この方法を用いることにより、水路実験で明らかになったより深い層に大きな粒子が集まる傾向が数値シミュレーションでも再現可能となった。また、このような堆積土砂の鉛直粒度分布に関する特徴は、実際のダム堆砂に関する資料にも現れていることが確認された。 本シミュレーションが水路実験の結果を比較的良好に再現できていることから、モデルで用いられている混合砂礫を対象とした侵食・堆積速度式に関しても、ある程度信頼の置けるものであるといえよう。
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Research Products
(1 results)