2000 Fiscal Year Annual Research Report
生体神経細胞模擬プラズマの生成・制御による開放系境界膜機能の探究
Project/Area Number |
12780350
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大原 渡 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80312601)
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Keywords | 開放系 / 生体細胞膜 / シース / アルカリ金属イオン / ハロゲンイオン |
Research Abstract |
(1)現有の直線型真空容器(内直径16cm,長さ400cm)と磁場発生装置(<4kG)を整備し,アルカリ塩化物(KCl)をオーブンにより気化して熱板に吹き付けると,熱解離によりK正イオンとCl負イオンが生成される.アルカリ金属(Na)を気化させてもう一方の端に設置したタングステン板に吹き付けると,接触電離によりNa正イオンが生成される.生体細胞を構成する主なイオン種はNa正イオン,K正イオン,Cl負イオンであり,生体細胞に類似したイオン種から成るプラズマを生成することができた. (2)生成されたプラズマについて,ラングミュアプローブを用いて詳細に測定を行った.プラズマ密度は10^7cm^<-3>程度で,温度は0.1eV程度である.磁力線垂直方向のプラズマ分布は,軸対称のガウス型をしていることがわかった.アルカリ塩化物の昇華温度は1000℃程度と高く,オーブンの加熱温度がそこまで達しておらず,KClの昇華量が少ないことに起因してプラズマ密度が低いことがわかった. (3)異種正イオンの供給量のバランスを変化させていき,それがある閾値を越えると系が不安定になり,プラズマ境界の浮遊電極が間欠的に負電位に深くなる発振現象が見られることを確認した.これはプラズマ構造の分岐が発生したとみなすことができる. (4)実験結果のみではプラズマ中で生起している現象の詳細を知ることは難しい.物理現象の詳細を知る目的で計算機シミュレーションを行った.既存の3次元静電粒子コードを改良して本研究に即したコードの開発を行った.Na正イオンの供給量を増加していき,単位時間あたりのNa正イオンの供給量がK正イオンの供給量を上回ると系は不安定になり,粒子の系外への排出数は間欠的に多くなる.更にNa正イオンの供給量を多くしていくと,逆に系は安定化する.系の状態はイオンの供給バランスに依存していることが明らかになった.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] N.Tomioka: "Dimer-Formation Using Fullerene-Ion Plasma"Proc.of the 19th Fullerene General Symposium. 36 (2000)
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[Publications] W.Oohara: "Characteristics of Fullerene-Ion Plasma"Proc.of 2000 International Congress on Plasma Physics. BP1.036. 9 (2000)
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[Publications] W.Oohara: "Local Production of Massive Negative Ions Accompanied by Plasma Structure Modification"Proc.of Plasma Science Symposium 2001/The 18th Symposium on Plasma Processing. SPP-18. 69-70 (2001)
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[Publications] N.Tomioka: "Production of Pair-Ion Plasma Accompanied by Fullerene-Dimer Formation"Proc.of Plasma Science Symposium 2001/The 18th Symposium on Plasma Processing. SPP-18. 737-738 (2001)