2000 Fiscal Year Annual Research Report
高磁場環境下での放電プラズマの基礎的特性のの研究-新機能性物質創製を目指して-
Project/Area Number |
12780358
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
杤久保 文嘉 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (90244417)
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Keywords | 粒子シミュレーション / モンテカルロシミュレーション / 電子スウォーム / イオンスウォーム / 高磁界環境 / 放電プラズマ |
Research Abstract |
気体放電場に磁場を印加した時,磁場は電子をトラップする効果を有するため,低気圧高密度のプラズマ生成が可能となる。近年,超伝導磁石で得られるようになった超高磁場環境(〜10T)では,イオンに対しても磁場の効果が働く事,高気圧放電でも磁場の効果が現れることが推測でき,新たな特性を持った放電プラズマの生成が期待できる。本研究では,超高磁場環境下で放電プラズマを生成し,その特性を調査することを目的としている。平成12年度の課題,及び成果は以下の通りである。 1.超高磁場が存在する直交電磁場中での電子・イオンの輸送特性の解析 モンテカルロ法を用いた粒子シミュレーションにより,直交電磁場中の電子,及びイオンスウォームの輸送特性を換算電界E/N,換算磁界B/Nの関数として評価した。輸送特性は衝突周波数v_mとサイクロトロン周波数ω_cが等しい点を境に大きく変化する。すなわち,電子の場合,超高磁場環境ではv_m≪ω_cが実現された結果,電界方向へのドリフトが制限されてトラップモードに入り,電子エネルギーは数千度まで減少する。これに対し,イオンは超高磁場環境でE×Bドリフトは生じるものの完全なトラップには至らず,イオン温度もあまり減少しない。これらの結果より,超高磁場環境でプラズマ生成した時,印加磁場強度によって制御性の高い,高密度かつ低電子温度のプラズマが得られるものと予測される。現在,粒子シミュレーションによる超高磁場環境下での放電プラズマの解析を引き続き行っている。なお,超高磁場環境でのこれら荷電粒子の輸送特性の解析は本研究が初めての試みである。 2.放電容器の設計・製作 平成13年度に行う実験で使用する放電容器の設計を行い,すでに製作に入っている。
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Research Products
(1 results)