2001 Fiscal Year Annual Research Report
周辺エルゴディック層を効果的に利用した新ダイバータ方式の開発研究
Project/Area Number |
12780372
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
森崎 友宏 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (60280591)
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Keywords | ダイバータ / エルゴディック層 / 周辺プラズマ / スクレープオフ層 |
Research Abstract |
最終年度となる平成13年度は,ダイバータ板を挿入することによる磁力線のエルゴディックさの度合い(エルゴデイッシティ)の変化が,周辺プラズマの分布構造にどのような影響を与えるかを調べることにより,新方式ダイバータの性能評価を行った. データベースとしてはまだ十分ではないが,磁力線のエルゴディッシティを,本研究で昨年度までに確立した手法を用いて定量化し,その値を実験で得られた熱輸送係数と対比することにより,磁場構造が周辺輸送に与える影響について初期的な知見を得ることができた.中でも「エルゴディッシティがある閾値を超えるところで,熱輸送係数が急激に増大する」という事実が明らかになった点は重要である.尚,熱輸送係数導出に用いた電子密度分布・電子温度分布データの取得には,リチウムビームプローブ(本補助金の助成対象)およびトムソン散乱計測が用いられた. また,エルゴディック層に挿入したダイバータ板上に,粒子束を最も効率よく集中させることができる磁場配位を決定するために,閉じ込め領域からダイバータ領域へのロスチャンネル(損失経路)についても調べられ,シアが大きい側のX点を経由して粒子が排出されることが明らかになった. 以上の成果は,本年度行われた国際会議および国内学会において発表され,投稿論文が近日中に出版されることが決まっている.これまでの研究は,プラズマがダイバータ板に捕捉されるまでの過程に関するものである.今後はダイバータ板上で中性化した粒子の排気法に関する検討を,中性粒子コードを用いて行ってゆく.その後,新ダイバータ方式の総合的な評価を行って,結果を最終的な論文としてまとめる予定である.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] T.Morisaki, S.Masuzaki, M.Goto, et al.: "Effect of Magnetic Ergodicity on Edge Plasma Structure and Divertor Flux Distribution in LHD"Contributions to Plasma Physics. Vol.42(to be published). (2002)