2000 Fiscal Year Annual Research Report
南極氷床内部からの電波散乱の多周波・多偏波情報の解析による、応力・歪み構造の解読
Project/Area Number |
12780389
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤田 秀二 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30250476)
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Keywords | 氷 / 誘電率 / 電磁波 / 南極 / 氷床 / レーダ / マイクロ波 |
Research Abstract |
本研究は、巨大な氷体に対するレーダでの観測結果の解釈、それに氷体レーダ観測技術についての詳細な検討を実施しているものである。申請者らが南極大陸の氷床の観測から得たデータの詳細な解析を実施している。また、氷体内での電波伝搬特性の解析を実施している。具体的には、特に多周波・多偏波の多くの情報を含む全レーダシグナルの解析を行い、以下の3つの要素、(1)南極氷床全体の内部物理構造、(2)氷床中での電波伝搬過程、それに、(3)氷床探査レーダ技術に関して系統的な知見を得る作業をおこなっている。研究初年度の本年は、申請者が観測した60MHzと179MHzレーダのデジタル・アナログ両データの解析、それに、大陸氷床の複素誘電率プロファイルとの対比に重点をおいて解析を実施した。主要な内容は以下のとおり。 (1)レーダデータのデジタル化と解析特に、2周波解析による氷床結晶方位構造情報、密度層位構造情報、酸性度層位構造情報、応力・歪み情報、流動活性度構造の抽出、および3次元図示。また、層構造の分析により、氷体の年代分布の分析。 (2)氷床コアの結晶組織構造と複素誘電率プロファイルデータの検討。 (3)英国の取得したアナログデータの検討。 (4)(1)〜(3)を結びつける氷体内電波伝搬モデルの構築とシミュレーション実験。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Fujita, S: "A summary of the complex dielectric permittivity of ice in the megahertz range and its applications for radar sounding"Physics of Ice Core Records (edited by T. Hondoh, Hokkaido University Press). 185-212 (2000)
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[Publications] Sugiyama, K.: "Measurement on electrical conductance in ice cores by AC-ECM method"Physics of Ice Core Records (edited by T.Hondoh, Hokkaido University Press). 173-184 (2000)
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[Publications] 藤田秀二: "「大陸氷と惑星氷のレーダーサウンディング-氷の高周波誘電物性からみた現状と将来展望-」"日本雪氷学会誌「雪氷」. 62(1). 49-60 (2000)
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[Publications] 藤田秀二: "「アイスレーダで読む氷床内部の構造.」"学術月報2月号. 54(2). 42-46 (2001)
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[Publications] Siegert, M.J., Fujita, S: "Internal ice-sheet radar layer profiles and their relation to reflection mechanisms between Dome C and the Transantarctic Mountains"Journal of Glaciology. (未定・印刷中). (2001)