2000 Fiscal Year Annual Research Report
消費行動に配慮した流通業における化学物質管理システムの設計
Project/Area Number |
12780422
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
恒見 清孝 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20322175)
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Keywords | PRTR / エコラベル / リスクランキング |
Research Abstract |
流通業におけるPRTRの概念を用いた化学物質の管理システムを構築することを目的に、本年度は以下の2項目について研究を行った。 まず、流通業における化学物質の管理を進める上で、安全・安心を求める消費行動に反映させることを重要ととらえ、消費者の環境意識を高める環境コミュニケーションの一つであるエコラベルに着目し、日用品を扱う複数の流通業者を調査した。その結果、客観的で定量的なデータ開示を消費者に行うようなISO規格におけるタイプIIIのエコラベルが望まれるが、流通業では第三者認証によるタプIのエコラベルや自己宣言に基づく環境主張を行うタイプIIのエコラベルが多いために、環境ラベル間での比較が困難な面が大きく、PRTRを有効に利用できるタイプIIIのエコラベルはまだまだ少ないことが判明した。 一方、化学物質を管理しリスク削減を図るためには、対処すべき様々なリスクを問題群として同定し、それらの大きさや性質を比較する必要がある。そこで比較リスクによる化学物質のランク付けを行うことを目的に、米EPAのハザード・ランキング・システム等を参考にして、PRTRのデータを有効に活用可能なリスクランキング算出のフレームを提示した。すなわち、シナリオスコアは物質特性、物質量、漏出性、重篤度の4つのファクターから構成され、さらに物質特性は毒性、移動性、残留性、生態濃縮性の4要素から構成され、また漏出性は物質管理度、解体・分離性、物質封じ込め率、物質無害化率の4要素から構成された。
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