2001 Fiscal Year Annual Research Report
バイオポリエステル生合成系酵素エノイル-CoAヒドラターゼの基質認識機構の解明
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12780431
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
久野 玉雄 理化学研究所, 理論構造生物学研究室, 研究員 (20312267)
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Keywords | (R)-Hydratase / Crystal structure / Polyhydroxyalkanoate / Substrate recognition / Rational design of protein / Enoyl-CoA hydratase / Hot dog fold |
Research Abstract |
(R)-ヒドラターゼは、A. caviaeにおいてバイオポリエステル生合成に必須な酵素である。脂肪酸中間代謝物である2-エノイル-CoAに作用してバイオポリエステルモノマーである(R)-3-ヒドロキシアシル-CoAを作る。本酵素は2量体を形成し、サブユニットの分子量は約14,000である。結晶構造解析の結果、本酵素のサブユニットの主鎖骨格は5本のβストランドから成る1枚のβシートと、2本のαヘリックス、そして2つの短いヘリックスを含むループ領域から成る、いわゆる「ホットドッグ構造」であることが判った。活性部位は2つのサブユニットの間隙にあり、3つの極性残基Asp-31、His-36、Ser-62^*が配置されている。これら3つの残基の変異実験から、Asp-31とHis-36が触媒残基であることが判った。さらにD31A-クロトニル-CoA複合体を解析したところ、クロトニル-CoAがα位のリン酸基部分で折れ畳まれた形で結合することが判った。酵素はクロトニル-CoAのアデノシン3'-リン酸部分に対してSer-82、Lys-84、Arg-103、Lys-131を介した相互作用により特異的に結合する。活性部位近傍においては、Gly-54の主鎖アミド窒素がクロトニル-CoAのチオエステル結合のカルボニル酸素と水素結合しており、オキシアニオンホールを構成する。基質の脂肪鎖が結合する領域は疎水的な環境となっており、その周りは酵素の主鎖やLeu-65などの側鎖によって囲まれている。そこで、Leu-65、Val-130をアラニンやグリシンに変えて酵素の炭素鎖長特異性の変化を調べてみた。すると、L65A、L65G、V130Gにおいては野生型酵素ではほとんど見られなかったC8およびC10の基質に対する活性が増加し、C8、C10成分を含むバイオポリエステルの蓄積が確認された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] T.Hisano, T.Fukui, T.Iwata, Y.Doi: "Crystallization and preliminary X-ray analysis of (R)-specific enoyl-CoA hydratase from Aeromonas caviae involved in polyhydroxyalkanoate biosynthesis"Acta Crystallographica section D. 57. 145-147 (2001)