2000 Fiscal Year Annual Research Report
endoポリガラクツロナーゼ機構解明を目指したオリゴチオガラクチロン酸の合成研究
Project/Area Number |
12780434
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
橋本 勝 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (40212138)
|
Keywords | 硫黄置換オリゴサッカリド / エンドグリコシダーゼ / 阻害剤 / 反応機構解明プローブ / 化学合成 / チオグルコース / グリコシル化 |
Research Abstract |
オリゴ糖の全てのテトラヒドロピラン環内酸素を硫黄原子で置換したオリゴ糖誘導体は、酸素原子と硫黄原子の類似性と、硫黄原子を含むアセタールは加水分解反応に対して安定である観点から、これまで詳細な反応メカニズムの解析が困難であったエンド型グリコシダーゼの優れた機能解明ツールになりうると期待できる。 以上の背景から本研究を開始した。しかしながら、合成の困難さ故か5-チオ糖を構成糖とした多糖の合成例は非常に少なく、現在までチオ糖をグリコシルアクセプターとして用いた例はない。そこで、チオ糖の一定の位置を区別してグリコシル化できるように、選択的脱保護をも考慮したチオ糖の合成を検討した。予備実験から本研究の最終目的である5-チオガラクツロン酸は硫黄原子のもつ性質ゆえ、非常に脱水を起こしやすいことが判明したため本研究の第一段階として、5-チオグルコースを構成糖とするオリゴマーの合成を検討する事とした。チオグルコース合成はいくつか報告されているが、オリゴマー合成を目指した場合、保護基の選択など、全体の合成ルートを通して新たに検討する必要があった。グルクロノラクトンを出発物質に用い、既知の方法を参考に5位に硫黄官能基を導入した。 さらに合成工程中、トリクロロアセタートエステルや、新たに開発した2-(アジドメチル)ベンゾアートエステルなどを必要に応じ任意の位置に他の保護基と区別で来得る保護基を導入し、1-3、1-4、1-6オリゴ合成ユニット糖の合成法に成功した。さらに、グリコシル化反応も検討しα体が優先的に生成する事を明らかにした。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] S.Lin,K.Fang,M.Hashimoto,K.Nakanishi,I.Ojima,: "Design and Synthesis of A Novel Photoaffinity Taxoid as A Potential Probe for the Paclitaxel-Microtubules Interactions"Tetrahedron Letters. 41. 4287-4290 (2000)
-
[Publications] 船橋克幸,徳永隆司,伊藤洋,二瓶賢一,橋本勝,奥野智旦: "線菌A307株の生産するSwelling誘導物質に関する研究"日本農芸化学会東北支部会.
-
[Publications] Islam,M.N.,徳永隆司,橋本勝,奥野智旦,Parveen,S.A.,Hostettmann K.,中澤憲夫: "Amoora rohituka W.A.に含まれる新規抗真菌物質"日本農芸化学会東北支部会.
-
[Publications] Islam,M.N.,Hashimoto,M.,Takashi,T.,Okuno,T.,Parveen,S.A.,: "Anti-Valsa constituents of Glycosmis pentaphylla roots : isolation and evaluation of activity"日本農芸化学会東北支部会.
-
[Publications] 青木宏太,橋本勝,奥野智旦,鈴木稔: "Dyctyochromenolの合成研究"日本農芸化学会東北支部会.
-
[Publications] 松田寛子,大原啓一郎,橋本勝,宮入一夫,奥野智旦: "環内に硫黄原子を有するオリゴサッカライドの合成研究"日本農芸化学会東北支部会.