2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト好中球由来抗菌タンパク質BPIを介した大腸菌上での補体系活性化機構について
Project/Area Number |
12780447
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
西村 仁 筑波大学, 応用生物化学系, 講師 (80241347)
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Keywords | BPI / 好中球 / 大腸菌 / 補体系 / 活性化 / LBP |
Research Abstract |
これまでに研究代表者は,ヒト好中球由来抗菌タンパク質Bactericidal/permeability-increasing protein(BPI)が大腸菌上における補体系の活性化を劇的に亢進させ,好中球による細菌の貪食を促すことを見出した.本年度は,1.補体系の活性化におけるBPIのC末端領域の影響,2.補体系の活性化を亢進させる他の抗菌タンパク質・ペプチドの探索,について研究を行った.まず,1については,BPIのC末端領域を欠失させた変異体の作成を試みたが,培養細胞における変異体の産生は確認できなかった.現在,大腸菌によるBPIのC末端領域の発現を試みている段階であり,発現が確認出来次第,その組換えタンパク質の阻害効果等を調べる予定である.2については,BPIと同じファミリーであるヒトLPS-binding protein(LBP)やカブトガニ由来の抗菌ペプチドタキプレシンについて補体系の活性化亢進作用があるかどうかを調べた.その結果,タキプレシンには有意な活性は見出されなかったが,LBPには補体系活性化亢進作用があることが判明した.BPIおよびLBP,タキプレシンのN末端領域(LPS結合部位)の相同性が高いことを考えると,この現象はLBPファミリーのC末端領域に特有なものである可能性が考えられた.平成13年度は,研究計画に加え,これらの研究をさらに推し進めていく予定である.
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