2001 Fiscal Year Annual Research Report
染色体DNA複製様式に共役した核-クロマチン構造変化の検出とその制御機構の解析
Project/Area Number |
12780466
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 憲子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70280956)
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Keywords | DNA複製 / 複製のタイミング / 細胞周期 / ES細胞 / 細胞分化 |
Research Abstract |
染色体の複製タイミングは、セントロメアやテロメアのように染色体本来に備わっているクロマチンの構造上の特性と、核内の3次元空間における染色体ポジショニンングにより制御される特性によって決定される。染色体ポジショニングは分裂後の細胞周期G1初期に決定される。 本年度はES(胚性幹)細胞を未分化状態から分化を誘導した時に複製タイミング決定と染色体ポジショニングにどのような変化が現れるかを検討した。Doubling timeが約10時間のES細胞は未分化状態において細胞周期のphaseはG1期が1時間以内、S期が6-7時間、G2-M期が2-3時間に分布する。方向性を特定しない分化誘導系において分化誘導後8日目においてはG1期の長さは3〜8時間に増大する。分化した細胞において、初期-中期複製fociはユウクロマチンの占める核内部、後期fociはヘテロクロマチンの占める核周辺、核小体近傍に出現することが知られているが、未分化ES細胞においても、G1期が非常に短いにも関わらず同様な複製fociパターンを検出した。 また未分化な状態維持に必須と考えられている転写因子Oct3/4と分化誘導後中胚葉特異的に発現する転写因子様分子brachyuryの遺伝子座は同一17番染色体上に存在する。これらの遺伝子座のES細胞における分化に伴う複製タイミングの変化について検討したところ、どちらの遺伝子座も比較的初期に複製される領域で、それは4日間の分化過程では変化しなかった。しかし、興味深いことに両遺伝子座の染色体配置については分化誘導後アレル間で相違が認められた。
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Research Products
(1 results)