2000 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線ストレスを感知し、情報伝達系を作動させる分子の探索
Project/Area Number |
12780478
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
蕪山 由己人 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (20285042)
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Keywords | 紫外線 / チロシンキナーゼ / MAPキナーゼ / 活性酸素 / アポトーシス / 抗酸化剤 |
Research Abstract |
細胞外からのストレスが慢性的に持続した場合、細胞内の情報伝達系はどのように歪められるのだろうか。実際、長期間の物理的圧刺激により上皮細胞の増殖が促進したりガン化することや、長期間のシェアストレスにより平滑筋細胞は合成型に変化することが明らかにされている。本研究では、紫外線をひとつのモデルにして、ストレス情報伝達系の解析を行うことを目的とした。特に、中波長・短波長紫外線はDNA損傷などの細胞内反応を誘発することから、細胞の表現型変換を研究する上で有利であると考えられること、また、オゾンホールにより300nmより短い波長紫外線が新しい環境ストレスとして重要な研究テーマになりつつある、というのが紫外線に注目した理由である。 これまでの研究から、各波長の紫外線によりそれぞれ特有の細胞内情報伝達系が活性化され、自らの生存と恒常性の維持、あるいは修復不可能な損傷を受けた細胞を排除するような細胞応答が生じることが明らかになった。特に、340〜360nmの長波長紫外線ではMAPキナーゼファミリーに属する蛋白質のうちErkが活性化されるのに対し、280nmでは細胞質中でp38が、また核内ではJNKが活性化することを明らかにした。また、これらMAPキナーゼファミリーの活性化に至るまでの間に、1)紫外線により生成したと考えられる過酸化脂質がある種のチロシンホスファターゼを阻害し、2)結果としてLynなどのチロシンキナーゼ活性化されることが重要なステップであることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kabuyama,Y., et al.: "Wavelength-specific activation of MAP kinase family proteins by monochramatic UV irradiation."Photochem.Photobiol.. 73(2). 147-152 (2001)
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[Publications] Satoh,H., et al.: "Involvement of ErbB-2 in rheumatoid synovial cell growth."Arthritis Rheum.. (in press).