2001 Fiscal Year Annual Research Report
RecAファミリー蛋白質によるDNA組換え反応の分子機構の解析
Project/Area Number |
12780482
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
美川 務 理化学研究所, 遺伝生化学研究室, 研究員 (20321820)
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Keywords | RecA蛋白質 / DNA相同組換え / DNA結合 |
Research Abstract |
RecA蛋白質とその類似蛋白質はウイルスからヒトまで共通に保存されており,遺伝的組換え反応において中心的役割を果たす。しかし,その分子レベルでの組換え反応機構は明らかでない部分が多い。その最も大きな原因は,組換え反応に直接関与するDNA結合部位が未だに決定されていないことである。本研究ではこれら課題の解決を試みている。 昨年度報告した以下の2点について経過を報告する。 (1)高度好熱菌RecA蛋白質を用いたRecA蛋白質・DNA複合体のX線結晶構造解析 構造的に安定なため結晶化に有利と考えられる高度好熱菌RecA蛋白質を用いて結晶化を行うことにより,RecA蛋白質単体の結晶を得ること,またその格子常数等を決定することに成功した。さらに,RecA蛋白質・DNAの複合体の結晶を得ることに成功し,現在,さらに良質のRecA蛋白質・DNAの複合体の結晶を得るための実験を行っている。 (2)単量体化したRecA蛋白質を用いたNMR測定 幾つかの方法で単量体化することに成功したRecA蛋白質のNMR測定の結果から,RecA蛋白質の中央ドメインがATPを結合することにより大きな構造変化を起こし,その結果,単鎖DNA結合を強めることをNMRを用いて始めて示した。また,N末端ドメインが単鎖DNAに結合と相互作用することなどを新たに示した。現在,どのアミノ酸残基が各結合に深く関与しているのかを調べる為の実験を行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mikawa T., Shibata T.: "DNA homologous recombination and recombinational repair mediated by RecA/Rad51 family proteins"Tanpakushitsu Kakusan Koso. 46・8(Suppl). 1013-1020 (2001)
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[Publications] Shibata T, Nishinaka T, Mikawa T, Aihara H, Kurumizaka H, Yokoyama S, Ito Y: "Homologous genetic recombination as an intrinsic dynamic property of a DNA structure induced by RecA/Rad51-family proteins : a possible advantage of DNA over RNA as genomic material"Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 98・15. 8425-8432 (2001)