2000 Fiscal Year Annual Research Report
実験的・理論的方法を組み合わせたガレクチン天然リガンドの探索
Project/Area Number |
12780491
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
白井 剛 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (00262890)
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Keywords | ガレクチン / 糖鎖生物学 / X線結晶構造解析 / プログラム |
Research Abstract |
糖鎖結合タンパク質であるレクチンの天然リガンドが何かを突き止めることは意外に難しい。この研究は実験的方法と理論的方法を併用してガレクチンの一種であるコンジェリンの天然リガンドを探索することを目的とする。 実験的方法では今年度新たに、コンジェリンIIとGal(α1-4)Gal、Gal(β1-4)Gal、Gb3(Gal[α1-4]Gal[β1-4]Gal)との複合体構造を決定した。Gb3は既知のリガンドであるラクトースよりも結合能が高いことが示されているが、強固に結合しているのは、非還元末端のGalのみであるという意外な結果であった。また、酵素による糖鎖ランダム合成と複合体のX線結晶解析について、いくつかの糖加水分解酵素を用いて予備実験を行った段階である。 理論的方法として、構造既知のタンパク質-糖鎖複合体の統計から、糖鎖結合部位を検出するプログラムを作成した。このプログラムを用いて、いくつかの構造既知の複合体に対してテストを行ったところ、糖鎖結合部位を予測できる割合は、グルコース73%、ガラクトース31%、マンノース27%、全体で45%となった。いまだ、満足のいく値とはいえないが、このテストを通じてプログラムに対していくつかの改良点が示唆された。次年度はその指針に基づいて的中率の向上を目指す。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Ishida,T.Shirai,Y.Matsuda,Y.Kato,T.Isaji,H.Ohno,T.Yamane: "EmPLiCS : an empirical approach for structure-based design of natural peptide drug."J.Biochem.. 128. 561-574 (2000)
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[Publications] 白井剛,小川智久: "加速進化で生まれた特異構造をもつ新規ガレクチンファミリー-自然選択により出現した"タンパク質の新規フォールド"-"化学と生物. 38. 636-638 (2000)