2001 Fiscal Year Annual Research Report
実験的・理論的手法を組み合わせたガレクチン天然リガンドの探索
Project/Area Number |
12780491
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
白井 剛 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (00262890)
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Keywords | ガレクチン / 糖鎖生物学 / X線結晶構造解析 / プログラム |
Research Abstract |
レクチンなどの糖鎖結合タンパク質が自然状態でどのような分子をターゲットとしているか、すなわち天然リガンドがなにかをつきとめることは意外に難しい。本研究では、ガレクチンの天然リガンドの探索をコンピュータを用いた方法と実験的方法を用いて行った。 コンピュータを用いた方法として、データベースから得られる経験則を用いてタンパク質上の糖結合部位を予測するシステムを開発した(論文作成中)。このシステムをガレクチンに適用したところ、結晶解析から結合部位が新たに形成されたと予測される部位で、確かに糖鎖結合能が高いことがしめされた。 上記の予測結果を踏まえて、いくつかの新規糖鎖とガレクチンの複合体結晶解析を行った。結果、Gb3、bGAL3、aGAL3などについて構造が得られた。しかし、これらからは新たな結合部位は発見されなかった。 興味深いことに、コンピュータモデリングによる予測から新規結合部位を必要とすると思われるリガンドでは、結晶が得られないことが判明した。おそらく、新らたな結合合部を糖が占めると、結晶の成長を阻害すると思われる。このことから新規の結晶系を開発する必要があることが示された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Shirai et al.: "Crystal structure of alkaline cellulase K : Insight into the alkaline adaptation of an industrial enzyme"J. Mol. Biol.. 310. 1079-1087 (2001)
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[Publications] 白井 剛: "タンパク質の構造予測とフォールド進化"日本結晶学会誌. 44. 20-24 (2002)
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[Publications] T.Ozawa et al.: "Thermostabilization by replacement of specific residues with lysine in a Bacillus alkaline cellulase : building a structural model and implications of newly formed double intrahelical salt bridges"Protein Eng.. 14. 501-504 (2001)
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[Publications] U.Sugino et al.: "Upward shift of the pH optimum of acremonium ascorbate oxidase"Biochim. Biophys. Acta. (in press). (2002)