2000 Fiscal Year Annual Research Report
画像・電気同時計測による平面脂質二分子膜形成過程における自己秩序化の研究
Project/Area Number |
12780501
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
藤原 久志 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (40264949)
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Keywords | 平面脂質二分子膜 / 膜形成 / 自己組織化 / 画像・電気同時計測 |
Research Abstract |
本研究課題では、画像撮影・記録技術の革新を背景に、画像・電気同時計測により平面脂質二分子膜形成過程での自己秩序化=協同現象の詳細を明らかにすることを目的として、以下の研究を平成12年度に行った。 (1)電気・画像同時計測システムの開発:膜作製用にテフロン製2槽式電気化学セル(光照射、観察用ガラス窓付き)を製作した。膜形成過程の観察は、ガラス窓を通じて超高圧水銀灯+ガラスフィルタで光照射したときの透過光像で行った。長焦点顕微鏡に高解像度CCDカメラを装着したシステムで観察し、取得原画像の解像度向上を図った。上記セル中で卵黄フォスファチジルコリン含有膜形成液をマイクロシリンジによりセル隔壁穴に付着させ、交流測定を開始し、同時に光ディスク装置で番号付き画像の記録を行った。コンピュータを介した通信で電気計測値と画像番号を1対1対応させて、任意の膜形成過程における電気計測値と膜の透過光像を参照可能とした。得られたデータを解析した結果、平面脂質二分子膜形成過程は、生成した二分子膜領域が周囲の脂質分子を取り込み二分子膜化させつつ拡がってゆく、自己組織化現象である事が実証された。 (2)単一脂質二分子膜作製:加工アルミブロックに電気化学セルを挿入し、水槽付きサーキュレータにより目的の温度の恒温水をアルミブロック中に循環させることで、温度調節を可能にした(膜作製時に相転移温度以上にするため)。実験技術習得のため、室温で容易に膜形成するジフィタノイルフォスファチジルコリンの平面脂質二分子膜を作製した。
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