2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12780510
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安平 進士 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (90311729)
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Keywords | DNA複製 / 相同組換え / DNA修復 / 接合型変換 |
Research Abstract |
本研究では材料として分裂酵母を用い、特にその接合型変換を複製と組換えの共役現象のモデルととらえて、相同組換えがDNA複製の過程において果たす役割を明らかにすることを目的とする。このために、相同組換えに関与する遺伝子の条件変異を利用して、細胞周期やDNA複製との関連を遺伝学的手法、細胞生物学的手法により解析する。これと共に、相同組換え関連遺伝子と相互作用を示す遺伝子変異を実験的に検索することにより、複製との共役現象に関わる新たな因子の同定をめざす。 本年度の研究ではまず、プラスミドシャフリング法により、rhp51遺伝子の温度感受性変異アリルを取得し、変異を同定した。この変異遺伝子をh^<90>株、あるいはh^<-S>株の野生型遺伝子と置換すると制限温度において細胞が伸長するcdc様表現型を示し、細胞周期が停止あるいは遅延した。次にrhp51温度感受性変異とチェックポイント関連遺伝子との遺伝的相互作用を、多重変異株を作成することにより調べた。cds1との二重変異株では温度感受性は変化しなかったが、chk1との二重変異株、およびcds1、chk1との三重変異株ではほぼ同程度、温度感受性の著しい増大が見られた。この結果より、接合型変換の過程において形成されるDNA損傷あるいはその修復中間体はchk1を介したG2/M期のチェックポイントを活性化していると予想される。現在、rhp51温度感受性株をG1/S期で同調した後制限温度でリリースし、フローサイトメトリーによるS期の進行の解析や生存率の変化についての検討を試みている。
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Research Products
(1 results)