2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12780521
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
小林 武彦 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (40270475)
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Keywords | DNA複製阻害点 / 相同組み換え / リボゾームRNA遺伝子 / 出芽酵母 / FOB1 |
Research Abstract |
DNA複製阻害点(RFB)とはDNA複製フォークの進行を阻害する配列で、大腸菌からヒトの細胞に至るほとんどすべての生物種で見いだされている。真核細胞でRFBはリボゾームRNA反復遺伝子(rDNA)に存在し、報告者らの出芽酵母を用いた研究で、その活性には約100bpからなる配列とそこに結合すると考えられる複製阻害タンパク質(Fob1p)が必須であることが見出されている。今までの所、RFBは組み換えのホットスポットとして機能し、rDNAのコピー数の維持や細胞の老化と言った重要な働きに関係していることが判っている。rDNAの基本的な構造は酵母からヒトの細胞に至るまで保存されており、RFBの生理的な機能も類似していると予想される。そこで高等真核細胞における複製阻害遺伝子を単離し将来的にはそのノックアウト生物を作成しRFBの生理的機能を解明することが本申請研究の目的である。本年度は、近縁種である分裂酵母でのFOB1ホモログ遺伝子の単離を試みた。ところがおそらく組み換えメカニズムの相違により、出芽酵母でFOB1遺伝子を単離するために用いた遺伝学的手法では期待どおりの結果がでなかった。そこで出芽酵母と同属にあたる4種について、サザン解析とPCR法を用い、FOB1ホモログ遺伝子の単離試みた。その結果、それらの菌からアミノ酸レベルで90%以上の高い相同性を示すFOB1ホモログ遺伝子を同定した。さらに今年度更新されたデータベースの検索により、別種の酵母Kluyveromyces属2種でFOB1ホモログと思われる遺伝子を発見した。これら遺伝子はFOB1とアミノ酸レベルで局所的に約50%の相同性を有している。現在その保存された領域を元に、構造と一次配列の両面からさらなるデータベースの検索を行なっている。
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Research Products
(1 results)