2000 Fiscal Year Annual Research Report
ミニサテライト(MN)結合タンパク質の機能とMN変異との関連性の解析
Project/Area Number |
12780528
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
福田 博政 国立がんセンター, 研究所・生化学部, 研究員 (60300943)
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Keywords | ミニサテライト / 繰り返し配列 / DNA結合タンパク質 / 変異 / 反復配列 |
Research Abstract |
MN PC-1結合タンパク質MNBPsの内、pB,pF,pGの3種のタンパク質について機能解析を行い、以下の成果が得られた。1,pBの組み換えタンパク質を用いて、DNA結合配列特異性を検討した結果、pBの特異的結合には(T)C/TAGGGの3回以上の繰り返し配列が必須であり、さらにその両端に3塩基以上の配列が付加することにより結合が安定化する効果があることが示された。またCDスペクトル解析により、pBにはCAGGGのつくる4重鎖構造を部分的にほどく機能があること、さらにはCGGリピートのつくる4重鎖構造を効率よく1本鎖構造へ変換することを示した。即ち、pBは細胞にとって有害なDNAの4重鎖構造を破壊することにより、これらの繰り返し配列の変異を防ぐ働きをしていることが示唆された。2,免疫沈降により得られたpFを用いてDNA結合配列特異性を検討した結果、pFはPc-1のリピート単位にCを1つ挿入したCCTGCCリピート(MNPc-2リピートに相当)に最も強い親和性を示した。GFP融合蛋白質の細胞内局在を見たところ、NIH3T3細胞においては細胞質が染まったが、核の周囲(おそらくはperinuclear領域)が特に強く染まった。核内にフォーカス状の染色像が認められた。HeLa細胞においては核の分裂が途中で停止したダンベル型の核が観察された。MNBP-Fは細胞分裂において重要な機能を担っている可能性が考えられる。また、抗pF抗体を用いて細胞染色した場合も同様に核内にフォーカス状の染色像が認められ、細胞質にはファイバー状の染色像が認められ、何らかの構造体上に存在することが示された。3,pGの組み換えタンパク質を用いてDNA結合配列特異性を検討した結果、(C)CTGCCの8回繰り返し配列に強い親和性を示し、同じ配列の5回繰り返しでは親和性が顕著に低下することから、安定な結合には30mer以上の長い配列が必要なことがわかった。
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