2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトAIKファミリータンパク質の細胞分裂における機能の解析
Project/Area Number |
12780533
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
木村 正志 岐阜大学, 医学部, 助手 (40260575)
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Keywords | 細胞分裂 / 中心体 / 染色体分配 / 大腸癌 / 膀胱癌 |
Research Abstract |
Auroraファミリーキナーゼは、染色体分配および細胞質分裂に関与すると考えられており、ヒトには少なくとも3種類の関連遺伝子(AIK1、2、3)が存在する。これらのうちヒトAIK2(AIM-1)については、ドミナントネガティブ遺伝子の発現によって細胞質分裂が正常に行われなくなるという報告がなされているが、AIK1およびAIK3については細胞分裂時における機能の解析は行われていない。今回、ヒトAuroraファミリーについて以下の諸点を明らかにした。 1)AIK1の細胞分裂における機能をGFP融合タンパク質を用いて解析した。ドミナントネガティブAIK1のHeLa細胞での過剰発現によって、多核細胞が生じ、中心体数に異常が見られた。細胞分裂時には中心体の位置および紡錘体の異常、染色体が赤道面に並ばないなどの異常が見られた。また、AIK1の中心体への局在に必要なドメインに関して、GFP融合タンパク質を用いて解析した。その結果、中央部分(キナーゼ領域のN-末端部分)が中心体への局在に必要であると考えられた(投稿準備中)。 2)抗AIK1および抗AIK3抗体を用いて大腸ガン組織の免疫組織染色を行った。その結果、AIK1の過剰発現が78例中53例で(68%)、AIK3の過剰発現が78例中40例(51%)で観察された(Jpn.J.Cancer Res,2000)。 3)抗AIK1抗体を用いて膀胱癌組織の免疫組織染色を行った結果、AIK1の過剰発現が観察された(投稿準備中)。 これら3種のヒトAuroraファミリーキナーゼが、それぞれどのような蛋白質をリン酸化し、細胞分裂を制御しているのか、また癌化に関与するかについてさらに解析を行っていく予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Takahashi,T.: "Centrosomal kinases, HsAIRK1 and HsAIRK3, are overexpressed in primary colorectal cencers."Jpn.J.Cancer Res.. 91. 1007-1014 (2000)