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2000 Fiscal Year Annual Research Report

細胞内カルシウムイオンによるゾウリムシの複数の細胞機能の同時制御

Research Project

Project/Area Number 12780539
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

岩楯 好昭  徳島大学, 総合科学部, 助手 (40298170)

Keywordsカルシウムイオン / 繊毛 / 細胞 / ケイジドカルシウム / ゾウリムシ
Research Abstract

単細胞生物ゾウリムシでは,細胞内カルシウムイオン濃度によって,繊毛逆転・細胞体収縮・エキソサイトーシスの3つの細胞機能が制御されている。このうち繊毛逆転について細胞内カルシウムイオン濃度との関連を詳細に検討した。
真核生物の繊毛・鞭毛は自律的に波動運動を行う細胞内小器官である。繊毛打・鞭毛打の波形とその波の頻度(周波数)は繊毛・鞭毛内部のカルシウムイオン濃度によって制御されている。単細胞生物ゾウリムシは細胞表層全体に1万本以上の繊毛を持ち,これを使って水中を遊泳する。遊泳中に障害物にぶつかると,一時的に繊毛打方向を逆転させて後方遊泳し障害物を避ける。このゾウリムシの繊毛逆転も繊毛内カルシウムイオン濃度の上昇によるということが広く受け入れられている。しかし,繊毛の中で実際にカルシウムイオン濃度が上昇するのを直接測定した例は無い。さらに,繊毛内のどこが繊毛逆転を引き起こすためのカルシウム感受性部位であるのかは全くわかっていない。
我々は,ケイジドカルシウムの光分解法を使ってゾウリムシ細胞でカルシウムイオン濃度を局所的に上昇させてみた。繊毛は細胞体内のbasal bodyと呼ばれる構造から伸張している。まずこのbasal body以外の繊毛部分でケイジドカルシウムの光分解を起こしてみるとはたして繊毛逆転が観察された。一方,basal bodyのみでのケイジドカルシウムの光分解は,直接その部分での繊毛逆転を引き起こすことは無かった。また,繊毛の先端部でのケイジドカルシウムの光分解は小さな繊毛逆転を引き起こした。この光分解エリアを徐々に大きくしてみると繊毛逆転の角度もそれに連れて増大した。これらの結果は繊毛逆転に関するカルシウム感受性部位がbasal bodyに無いことを示すとともに,カルシウム感受性部位がbasal bodyを除いた繊毛全体に均一に分布していることを強く示唆している。

URL: 

Published: 2002-04-03   Modified: 2016-04-21  

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