2001 Fiscal Year Annual Research Report
マウス受精卵における時期特異的ポリ(A)鎖伸長母性RNA群の系統的解明
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12780562
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
桜井 敬之 東海大学, 医学部, 助手 (80317825)
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Keywords | マウス / 着床前初期胚 / 卵形成 / 受精卵 / 母性RNA / 接合型遺伝子発現 / poly(A)鎖付加 / 翻訳制御 |
Research Abstract |
マウス初期胚では、蓄積されていた母性RNA群から、受精後、新たに転写された接合体型RNAへの遺伝情報発現の変換は受精後20時間頃に生じる。この時期に対応する新たな現象として、我々は、ある母性RNAが受精後18時間(1細胞期後期)をピークとして一過的にそのmRNAのポリ(A)鎖を伸長させ、その後分解されることを初めて見いだした。現在、我々の他に7遺伝子で同様の現象が報告されており、受精後に生じる母性RNAのポリ(A)鎖伸長現象が、マウス初期胚発生プログラム発動に重要な役割を演じている可能性が示唆されている。我々は、この現象を系統的解明するため、独自に考案したポリA鎖伸長を起こした母性RNA群のみを濃縮したcDNALibraryの作製を試み、その解析を目指している。 本年度は、昨年検討した条件をさらに最適化し、マウス初期胚にATP誘導体を取り込ませポリ(A)鎖伸長を引き起こしている母性RNAのみを濃縮したcDNA群の増幅に成功した。具体的には、受精後5時間の卵(α-amanitin処理済み)の細胞質に、10mMBiotin-ATPを2-5pl顕微注入した。Biotin-ATP注入受精卵は、再度、3-4時間培養した。その後、我々が確立した方法でbiotinラベルRNA群を単離し、RT-PCRを用いてcDNA Libraryの作製に必要十分な量のcDNAを増幅した。このcDNAがマウス受精後ポリ(A)鎖伸長を示すRNA群を濃縮しているか否かを検討するために、受精後ポリ(A)鎖を伸長することが現在までに報告された遺伝子8つ、および伸長を示さない遺伝子3つにつきPCRによって検討し、期待したとおりにポリ(A)鎖を伸長する遺伝子のみにPCR産物の増幅が確認できた。現在、PCR-based cDNA Libraryの完成を目指している。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kajiwara, K., O-Wang, J., Sakurai, T. et al.: "Sez4 gene encoding an elongation subunit of DNA polymerase zeta is required for normal embyogenesis"Genes to Cells. 6. 99-106 (2001)