2001 Fiscal Year Annual Research Report
逆遺伝学的アプローチによる線虫UNC-18ファミリーの系統的機能解析
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12780589
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
安藤 恵子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40221741)
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Keywords | unc-18 / 逆遺伝学的解析 / Vps45 / C.elegans / リソソーム |
Research Abstract |
Secl/Munc-18ファミリーは酵母から哺乳類神経系に至るまで進化的に保存された小胞輸送機能分子である。線虫ゲノム上には6つのSecl/Munc-18蛋白質が見い出されている。申請者は逆遺伝学的解析が適用できる線虫をモデル動物として用いることによりSecl/Munc-18蛋白質の系統的な機能解析を行い、多細胞系の膜輸送におけるSecl/Munc-18ファミリーの生理的役割について明らかにしていくことを計画した。過去2年間で申請者はゴルジ体から液胞/リソソームへの膜輸送に関与すると考えられるvps45ホモログ(Ce-vps45)について当初研究計画に基づいて実験を行い、以下のような結果を得た。Ce-vps45::EGFP融合遺伝子をレポーターに用いたトランスジェニック解析によりほぼすべての発生ステージにわたり神経、筋肉、表皮、腸管等多くの組織で発現が認められた。Ce-vps45のこのようなubiquitousな発現パターンはvps45がリソソームへの膜輸送に関与するという知見と矛盾しないように思われる。Ce-vps45の機能を明らかにするためTMP/UV法を用いてコード領域に約1.2kbの欠失を持つ変異体tm246を分離した。欠失は開始コドンを含んでいるため、おそらくnull型変異であると推測された。遺伝学的解析からtm246は母性効果のある温度感受性劣性幼虫致死変異であることを見い出した。tm246ホモ接合体は低温生育下では生存可能であるが、高温生育下ではほぼL1期に発生停止となった。この時期は自家蛍光物質の蓄積などで推測されるリソソームが発達する時期に一致している。また、制限温度で生育した変異体の腸管細胞内ではリソソームマーカーである線虫カテプシンD/EGFP融合蛋白質の異常なaggregatesが認められ、リソソーム経路の機能障害が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hao, J.C., Yu.T.W., Fujisawa.K., Culotti.J.G., Gengyo-Ando.K., Mitani.S., Moulder.G., Barstead.R., Tessier-I.avigne.M., Bargman.C.I.: "C.elegans Slit acts in midline,dorsal-ventral,and anterior-posterior guidance via the SAX-3/Robo receptor"Neuron. 32. 25-38 (2001)
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[Publications] Gengyo-Ando, K., MITANI, S.: "Characterization of mutations induced by ethylmethanesulfonate, UV and trimethylpsoralen in the nematode Caenorhabditis elegans"Biochem.Biophys.Res.Comm.. 269. 64-69 (2000)
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[Publications] 三谷昌平, 安藤恵子, 町山悦子: "線虫の網羅的遺伝子ノックアウト"[システムバイオロジー]シュプリンガー・フェアラーク社. 87-95 (2001)
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[Publications] 三谷昌平, 安藤恵子: "生体を観察・記録する--線虫"細胞工学腹冊「目でみる実験ノートシリーズ、顕微鏡フル活用術イラストレイテッド」. 105-108 (2000)