2000 Fiscal Year Annual Research Report
直立姿勢制御における視覚と前庭の相互作用に関する研究
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12780636
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
福岡 豊 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (30242217)
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Keywords | 姿勢制御 / 感覚フィードバック / 視覚 / 前庭 / 相互作用 |
Research Abstract |
申請者は、ヒトの直立姿勢制御における感覚フィードバックの特性に関する研究を行ってきた。この制御系は、視覚、前庭、体性感覚の3つの系で身体傾斜角を検知し、姿勢を保持するのに必要なモーメントを発生するものである。これまでに、各感覚系が単独で働く条件下での特性を同定した。その結果、視覚は他の感覚系とは異なる役割を持つことが示唆された。体性感覚情報が利用しにくいときに視覚情報が有用であるとの報告があり、追試を行ったところその有用性を確認することができた。このときの観察から視覚は前庭と相互作用することにより姿勢制御に寄与しているのではないかとの仮説をたてた。本研究は、直立姿勢制御における視覚と前庭の相互作用に関して、以下の3点について検討することを目的としている。 (1)前庭、視覚、視覚+前庭による身体動揺検出のいき値を客観的指標に基づき決定すること (2)前庭、視覚、視覚+前庭の各条件で姿勢制御を行ったときの両者の相互作用を眼球運動を計測することにより検討すること (3)相互作用の加齢による影響を検討すること 平成12年度は、主に前庭に関する実験を行った。ビデオ式眼球運動計測装置を用いて、身体を他動的に動かしたときの眼球運動を計測した。その結果に基づき数名の被験者の前庭機能を評価した。この結果と視覚、視覚+前庭の実験(平成13年度に実施)の結果を総合し、視覚と前庭の相互作用について検討する。
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