2000 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞指向性を具備した遺伝子内封型リポソームベクターの開発
Project/Area Number |
12780649
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
滝澤 知子 帝京大学, 薬学部, 助手 (90260934)
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Keywords | PEG-リポソーム / 硫酸プロタミン / DNA複合体 / トランスフェリン / ターゲティング / 遺伝子発現 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
申請者は、平成12年度研究実施計画である「遺伝子内封型標的指向性Tf-PEG-リポソームの調製」を以下の通り行ったので報告する。 ・実施計画(1)遺伝子のコンパクション DNAに対する硫酸プロタミンの混合比を変えて実験を行い、ゲル電気泳動法によりプロタミン/DNA複合体の形成を確認した。さらに、動的散乱法による粒子径測定により、DNAはコンパクションされ、均一な粒子径を有する複合体を形成していることが示された。 ・実施計画(2)DNA内封pH感受性PEC-プロテオリポソームの調製 末端に反応性基を導入したPEG誘導体を用い、DOPEとコレステリルへミサクシネート(CHEMS)を脂質組成とするリポソームを調製し、PEG鎖末端選択的にトランスフェリン(Tf)を結合させた。調製したリポソームとプロタミン/DNA複合体とを混合し、遺伝子内封体の形成について、粒子経変化および密度勾配遠心法による検討を行った。混合により凝集体の形成は見られず、プロタミンの存在により均一な粒子経分布を示すコンパクトな複合体が形成され、粒子経変化および密度勾配遠心法により遺伝子がリポソームに内封されていると考えられた。 ・実施計画(3)癌細胞に対するターゲティング In vitroにおいて調製したTf結合PEG-リポソームの癌細胞に対するBinding Assayを行い、レセプターを介する細胞内取込と、遺伝子発現を確認した。 以上より、Tf結合PEG-リポソーム/プロタミン/DNA複合体がin vitroで機能することが示されたので、次年度において担癌マウスにおける遺伝子発現について検討したい。
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