変形性関節症における水中運動の効果の生体力学的研究

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12780658
• Research Institution: Kibi International University
• Principal Investigator: 畠中 泰彦 吉備国際大学, 保健科学部, 講師 (10309601)
• Keywords: 水中歩行 / 運動学 / 運動力学 / 床反力 / 関節モーメント / 関節間力

Research Abstract

水中での歩行その他の運動は浮力により体重の数十%の免荷が得られる一方で、大腿四頭筋の筋張力により体重の数倍の力が関節に加わるといわれており、実際の運動中の関節面へのストレスは解明されていない。本研究の目的は、歩行中の関節モーメントから、これに拮抗する筋モーメント、さらに筋張力、関節間力を計算し、関節面に垂直にかかる、すなわち関節軟骨や人工関節にかかるストレスを最小化した状態で、最大の筋張力を発生させる効果的な運動方法を検索することにある。
平成12年度に予定していた健常者10例を対象とした計測を終了している。歩行浴を目的としたプールの水深は一般に1m(50%免荷)前後が多く、本研究もこれに倣い1mの水深での歩行、さらに高齢者の入浴動作での介助が困難な入水、出水動作の力学解析を目的に立位からのしゃがみ込み、しゃがみ込んだ姿勢からの立ち上がりを計測・解析した。歩調を1、2歩/秒の2種類に規定、比較したが、いずれも水の抵抗を大きく受け、制動力に相当する立脚初期の床反力後方成分は消失し、明確な踵からの接地は全対象者ともみられなかった。ここまでの結果から少なくとも体節間浸透力と呼ばれる成分は減少することが明らかとなった。