外断熱によるRC造集合住宅のリニューアルに関する実験的研究

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12792012
• Research Institution: HOKKAIDO UNIVERSITY
• Principal Investigator: 繪内 正道 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00001991)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 長谷川 寿夫 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60002036) ; 森 太郎 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70312387) ; 羽山 広文 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80301935) ; 石田 秀樹 北海道東海大学, 芸術工学部, 教授 (80168228) ; 鈴木 憲三 北海道工業大学, 建築工学科, 教授 (70002235)
• Keywords: 改修 / 外断熱 / 熱橋 / 温度分布 / 湿度分布 / 結露 / 熱容量 / パッシブデザイン

Research Abstract

実験棟塔屋の実大パネル実測と集合住宅外壁の表面温度実測及び地域性の検討を行った。
1.外断熱パネル塔屋における実測結果
4種の外断熱パネルの温度・湿度分布の変動を測定し、次の諸点を明らかにした。
(1)4種の構法の施工行程とそれに要する人工の積算時間を検討し、構法による人工の違いに大きな差異はなかった。
(2)外気温が20〜30℃で変動している夏期でも各壁体は20〜30℃の範囲内の変動、外気温が0〜16℃で変動している中間期には5〜10℃の範囲内の変動に収まった。
2.内断熱集合住宅と外断熱改修集合住宅の外壁表面温度の測定
札幌市内の公務員宿舎を対象に、内断熱集合住宅と外断熱改修集合住宅面温度の測定、及びエネルギー消費量の実態調査を行い、次の諸点を明らかにした。
(1)熱橋の少ない修住棟(妻壁)の外表面温度の頻度分布は、外気温に近い温度に1極集中するが、未改修住棟の外表面温度の頻度分布は外気温に近い部分と高温部分の2極に集中することを明らかにした。
(2)外断熱改修住棟住戸と未改修住棟住戸のエネルギー調査結果に拠れば、暖房用灯油消費量に差が出るだけでなく、浴室給湯用ガス消費量に大きな差が現れた。未改修住棟住戸の浴室は寒いので、入浴前の給湯用ばかりでなく、追い炊き用にも余計な燃料を必要としていることが推察された。
3.地域性から見た外断熱
外断熱外壁の熱的な性質を明らかにし、積雪寒冷地の住宅政策にとって建物の再生(地域の再生)にとって、外断熱改修が最善の施策であることを提言した。

Research Products

• [Publications] 横山智恵: "外断熱改修によるRC造建物の温熱環境改善効果"日本建築学会北海道支部研究報告集. No.75. 161-164 (2002)
• [Publications] サデギアン タギ: "外断熱建物の冷房負荷計算法と低負荷冷房"日本建築学会計画系論文集. 557. 25-31 (2002)
• [Publications] 高瀬敏洋: "外断熱改修によるRC造建物の温熱環境改善効果"日本建築学会大会学術講演梗概集(北陸). 65-66 (2002)
• [Publications] 羽山広文: "外断熱RC建築の熱性能評価に関する研究"空気調和・衛生工学会学術講演論文集(福岡). 1317-1320 (2002)
• [Publications] 横山智恵: "外断熱改修によるRC造建物の温熱環境改善とエネルギー消費量"空気調和衛生工学会北海道支部第37回講演論文集. 37. (2003)
• [Publications] 羽山広文: "統計指標を用いた熱性能評価"日本建築学会熱環境小委員会伝熱WGシンポジウム. (2003)