2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12793005
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梶山 千里 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (60037976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 園 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (40304745)
菊池 裕嗣 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (50186201)
高原 淳 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 教授 (20163305)
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Keywords | 液晶 / 界面相互作用 / 和周波発生 / 光配向 / (高分子 / 液晶)複合膜 |
Research Abstract |
(高分子/液晶)複合膜は、高分子と液晶のμmオーダーの微細な相分離構造のため、単位体積当たりに占める(高分子/液晶)界面の割合が極めて高い。そのため、液晶分子の電界に対する応答挙動は、(高分子/液晶)界面相互作用の影響を強く受ける。したがって、電界応答の問題を克服するには、(高分子/液晶)界面相互作用を学術的に解明し、界面を分子レベルで構造制御することが必要である。本研究では、(高分子/液晶)界面の分子間相互作用を支配する化学的因子を解明し、界面の分子設計により高分子ネットワークに囲まれた液晶分子の電界応答挙動を精密に制御する。 界面を分子レベルで構造解析するために、和周波発生法を用いる。和周波発生は、2次の非線形現象を利用するため、中心対称生のない構造で起こる。界面は必然的に中心対称生が消失するため、和周波発生が起こる。従って、一般の高分子や液晶のように内部構造として中心対称生が失われた物質の表面や界面では、和周波発生は表面・界面に限られ、表面・界面の有効な分析法となりうる。 本年度は、和周波発生法の測定装置の設計と組立を行い、ポリビニルシンナメート表面の官能基の配向状態と液晶がその表面に接したときの液晶の界面配向特性について解析を行った。その結果、ポリビニルシンナメートに偏光した紫外光を照射すると、シンナメート側鎖の2量化が異方的に起こることが明らかとなり、ポリビニルシンナメートの液晶に対する光配向のメカニズム解明に向けて重要な知見を得ることに成功した。 また、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸の表面に一方向に水を流し、その後熱キュアによりイミド化すると、液晶が水流方向に均一に配向することが明らかとなった。この手法は、従来のラビング法で問題となっていた塵芥や静電気の発生による生産歩留まりの低下を根本的に解決できると期待される。
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Research Products
(1 results)