2001 Fiscal Year Annual Research Report
環境負荷の小さい高機能食糧資源としてのRubiscoタンパク質の有効利用
Project/Area Number |
12793007
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉川 正明 京都大学, 農学研究科, 教授 (50026572)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲熊 隆博 カゴメ(株), 総合研究所基礎研究部, 部長
原口 健司 京都府立茶業研究所, 主任
竹中 康之 京都大学, 農学研究科, 助手 (20273518)
藤田 裕之 日本サプリメント(株), 研究・開発部長
|
Keywords | Rubisco large subunit / rubiscolin-5 / δレセプター / 学習促進作用 / 抗不安作用 / σ(シグマ)レセプター / アンジオテンシン変換酵素 / 血圧降下作用 |
Research Abstract |
ホウレンソウRibulose bisphosphate carboxylase/oxygenase(Rubisco)large subunitからペプシンおよびロイシンアミノペプチダーゼによって遊離するrubiscolin-5(Tyr-Pro-Leu-Asp-Leu)およびrubiscolin-6(Tyr-Pro-Leu-Asp-Leu-Phe)はδレセプターに対して選択性を有するオピオイドペプチドであり、いずれも経口投与で鎮痛性を示した。一方、rubiscolin-6はステップスルー型の学習実験において100mg/kgの経口投与で学習促進作用を、また、rubiscolin-5は高架十字迷路実験において10mg/kgの経口投与で抗不安作用を示すことを新たに見出した。前者がδレセプターを介した作用であるのに対して、後者はσ(シグマ)レセプターを介したものであることを、特異的アンタゴニストおよびアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた実験から証明した。以上の結果とRubiscoの酵素消化物からのrubiscolin-5の収率はrubiscolin-6のそれの約10倍であることを考え併せると、Rubisco摂取後に何らかの中枢作用があるとするならば、それは学習促進作用よりもむしろ抗不安作用であると予想される。 ホウレンソウRubiscoのペプシン・パンクレアチン消化物から4段階のHPLCによってアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害活性を有する4種類のペプチドMRWRD(IC_<50>=2.2μM), MRW(IC_<50>=0.64μM), LRIPVA(IC_<50>=0.5μM),およびIAYKPAG(IC_<50>=4.6μM)を得た。MRWRDはACEとのプレインキュベーションによって、大部分がMRWに変換され、IC_<50>は0.84μMになったことから、プロドラッグタイプの阻害物質であることがわかった。一方、LRIPVAおよびIAYKPAGはACEとのプレインキュベーションによって活性が低下することから、ACE基質であることがわかった。自然発症高血圧ラットに対する経口投与の際に、MRWは2時間後に最大の血圧降下作用を示すのに対し、MRWRDは4時間後に最大の血圧降下作用を示した。
|
Research Products
(1 results)