2000 Fiscal Year Annual Research Report
物質循環を基盤とした浄化システムによる湖沼・河川の環境浄化手法の開発
Project/Area Number |
12794003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 聰 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20032295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 均 東京大学, (財)琵琶湖淀川水質保全機構・事務局, 局長・(研究職)
大塚 重人 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (10313074)
西山 雅也 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50263801)
鈴木 輝彦 鉄建建設(株), エンジニアリング部, 課長(研究職)
高尾 圭一 東洋電化工業(株), 環境事業本部・本部長・(研究職)
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Keywords | 水質浄化装置 / 浄化資材 / 水質汚濁 / 底質凝集剤 / 富栄養塩除去 / アルミニウム / COD / ポリ塩化アルミニウム |
Research Abstract |
本年度は水圏の水質汚濁を防止するための装置として開発した自然循環方式において、より効率的で、機能的な装置として稼動するため、現段階で問題となっている課題の抽出を行い、問題の解決に向けての改善を琵琶湖・淀川水質浄化共同実験センターに設置した日量50m^3の処理装置と千葉県・手賀沼に設置したヘドロ浚渫に伴う凝集沈殿装置を兼ねた浄化装置(排水処理能2m^3)をそれぞれ用いて検討した。その結果、琵琶湖湖畔に設置した装置での問題点では、1)現在稼動中の自然循環方式による装置では1mg/l-P、5mg/l-N以上を含有する排水処理した場合、0.1mg/l-P以下、1mg/l-N以下という琵琶湖水系での排水基準値を達成することは困難であり、装置の富栄養塩除去能を強化する必要がある。2)COD濃度低減に対して現在稼動中の自然循環方式に充填している濾剤に替わる新濾剤の開発を行う必要がある。また、手賀沼に設置した装置での問題点は、凝集沈殿剤として現在一般に使用されているポリ塩化アルミニウム(PAC)を使用すると、水中にモノマータイプのアルミニウムが生成され、アルミニウムがイオン化する可能性があり、早急にこれに替わる凝集沈殿剤の開発が必要であることが指摘された。以上の問題点に対して本年度は、安全で、強力なリンおよび窒素除去資材の開発または改善、CODの実態を把握するため、COD濃度と藻類の生育状況ならびに新しいヘドロ凝集剤の開発に着手した。その結果、自然循環方式でリン除去資材として使用中の石灰岩由来の除去資材に替わる鉄系の新吸着剤を開発した。また、ヘドロの凝集剤として現在使用されているPACに替わる安全なケイ酸カルシウム系の凝集剤を開発し、ヘドロの浚渫に止まらず、湖水の浄化を含めた一連の湖水浄化装置を試作した。
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