2001 Fiscal Year Annual Research Report
寒冷地メタン発酵による家畜糞尿の低コスト処理システムの開発と設計基準の確立
Project/Area Number |
12794006
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
前川 孝昭 筑波大学, 農林工学系, 教授 (40015665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 従三 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50002069)
井上 武雄 ダイシン設計(株), バイオ開発室, 室長
張 振亜 筑波大学, 農林工学系, 講師 (20272156)
合田 素行 農林水産省農業総合研究所, 農業構造部, 上席研究官
羽賀 清典 独立行政法人農業技術研究機構, 畜産草地研究所・畜産環境部環境浄化研究室, 室長
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Keywords | 寒冷地メタン発酵 / メタン菌固定化 / 無加温メタン発酵槽 / メタン発酵槽設計 / 畜産廃水処理 |
Research Abstract |
第2年目は別海町酪農研修牧場で、運転されている既設の寒冷地無加温2相式メタン発酵システム(40m^3)の運転データの取得と回収バイオガスの畜舎の床暖房の実証実験を行った。このバイオガスプラントは40頭分の乳牛糞尿をバイオガス化して運転が安定していることから、次の2点を検討した。 (1)バイオブースター型メタネーションシステムの構築 バイオガス中のCO_2をメタン菌を使ってH_2を供給することによって90〜95%のCH_4を得、この時に代謝されるビタミンB_<12>を高収率で得ることを狙ってモデル実験装置の設計試作を行った。本年度から次年度にかけて、混合ガスを原料としてその性能を確かめる。 (2)2相式メタン発酵装置の設計手法の確立 従来から得てきたデータのうちバイオガス収率のデータから追求した物質収支とバイオマスの分解率から追及した物質収支の整合性を牛糞尿785頭分および養豚糞尿900頭分を原料とする装置の基本設計及びシステム設計計算を試みた。 これらの設計試作や設計計算の内容について、平成14年2月2日、2月3日の両日、北海道別海町酪農研修牧場研修室で成果検討会を行い、経済性の高いシステムの設計指針を確立すること及び次年度の最終年度にチェックする項目について打ち合わせた。また、この設計計算にはすでにバイオガスエネルギー回収事業が先行している京都府船井郡八木町のシステム、宮崎県高鍋町の向洋畜産を見学した。また地方自治体で可能性調査をしている熊本県鹿本町の役場において基本的な考え方をヒヤリングした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 前川孝昭: "バイオマス・自然エネルギーの農業利用新技術"農林水産技術情報研究ジャーナル. Vol.25.No.3. 43-52 (2002)
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[Publications] 張燕生, 張振亜, 前川孝昭: "メタン菌細胞の微量金属組成の分析における細胞洗浄方法"農業施設. 32巻4号(未定). (2002)
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[Publications] 張燕生, 張振亜, 前川孝昭: "メタン発酵における微量金属塩の動力学的影響"農業施設. 32巻1号(未定). (2002)
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[Publications] 張燕生, 張振亜, 前川孝昭: "Monitoring of methanogen density using near-infrared spectroscopy"Biomass and Bioenergy. (発表予定). (2002)
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[Publications] 張振亜, 前川孝昭: "Uptake velocity and mass balance of trace metals for methane producing bacteria"Biomass and Bioenergy. (発表予定). (2002)
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[Publications] 張振亜, 張燕生, 前川孝昭: "A kinetic study on inhibition behavior of acetic acid and propioic acid concentration on methane fermentation"Japanese Journal of Water Treatment Biology. 37巻4号. 135-140 (2001)