2002 Fiscal Year Annual Research Report
りんごポリフェノールの化成品素材化に関する基礎研究
Project/Area Number |
12794007
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
中村 信吾 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (50003570)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸羽 隆宏 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (10108483)
五十嵐 康雄 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (90003433)
中村 正雄 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30109516)
長田 恭一 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (30271795)
|
Keywords | りんご / ポリフェノール / プロシアニジン / 代謝調節 / 未熟果実 / 脂質代謝 / 抗酸化 |
Research Abstract |
りんご未熟果実に含まれるポリフェノールについて、その高分子縮合成分(ACT)の生理機能について調べた。ACTの抗酸化機能を調べたところ、in vitroのLDLの過酸化反応を強く抑制し、その活性は茶カテキンに匹敵した。この機能は、ACTが強いラジカル捕捉機能を有しているためであると考えられた。さらに、ラットに種々の濃度でACTを摂取させた結果、肝臓のリン脂質過酸化物濃度は摂取濃度に応じて低下した。ACTの脂質代謝調節機能を追究した結果、ACTの摂取によって、ラット肝臓のコレステロール生合成およびリノール酸不飽和化律速酵素活性は低くなり、コレステロール異化律速酵素活性は高くなった。これらの酵素活性の変動を反映して、肝臓コレステロール濃度と組織リノール酸不飽和化指標は低下した。また、組織エイコサノイド産生濃度もACTの摂取で低くなった。一方、糞中に排泄された酸性ステロイド濃度は高くなった。さらに、ACTの摂取により、血清のHDL-コレステロール/総コレステロール濃度比が高くなることも明らかになった。ACTを0.5%濃度までの摂取で、これらの機能は発現されるが、それ以上の濃度で摂取した場合には、むしろ好ましくない結果になった。ACTの吸収について調べた結果、3量体までの吸収を確認した。また、血清中にはACT由来の低分子化した化合物の存在も確認できた。このように、ACTは、強い抗酸化機能と脂質代謝調節機能を有しており、その発現には、吸収されたACT由来の化合物の関与が示唆された。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 長田 恭一, 山田耕路: "食事と酸化コレステロール"オレオサイエンス. 2(5). 249-256 (2002)
-
[Publications] 長田恭一: "コレステロール酸化物の栄養生理機能に関する研究"日本栄養食糧学会誌. 56(印刷中). (2003)
-
[Publications] 長田恭一: "りんご未熟果実由来プロシアニジン類の脂質代謝調節機能と抗酸化機能"New Food Industry. 45(印刷中). (2003)
-
[Publications] K.Osada: "AOCS Press"Cholesterol oxidation products : Other biological effects, Chapter 14 in Cholesterol and phytosterol oxidation products : Analysis, occurrence, and biological effects. (ed by G.Francesc, C.D.Paresh, C.RafaelGuardiola F, Dutta P.C, Codony, R and C.P.Savage). 278-318 (2002)