2001 Fiscal Year Annual Research Report
G_o期特異的転写誘導される細胞増殖抑制遺伝子群の単離と機能解析
Project/Area Number |
12794010
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野島 博 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (30156195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 信也 大阪大学, 微生物病研究所, 研究員 (70273703)
藤井 孝之 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (70314416)
吉岡 直寿 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (80314417)
田路 真吾 株式会社医学生物学研究所, 研究員
玉井 克之 株式会社医学生物学研究所, 部長(研究職)
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Keywords | 静止期 / 増殖抑制因子 / 初代繊維芽細胞TIG-1 / 膜貫通ドメイン / 血清飢餓 / 接触阻害 / 癌細胞株 / LOH |
Research Abstract |
ヒトのG_0期特異的に転写誘導される遺伝子として我々が単離した新規遺伝子TIGA1について以下の解析を行った。Tiga1蛋白質(120aa)は膜貫通ドメインと思われる疎水性領域が存在する以外に既知のモチーフは存在しない。まずTIGA1の発現を血清飢餓あるいは接触阻害の両面から調べたところ、TIGA1mRNAは細胞の増殖停止に応答して発現していることが示唆された。次にヒト肺癌の細胞株であるEBC-1を使ってコロニー形成能を測定したところ、TIGA1を発現させたことによるコロニー形成能の低下が観察された。以上の結果より、TIGA1はG_0期の維持に何らか役割を果たしていることが示唆される。またTiga1タンパク質の細胞内局在を調べるために、HAタグ融合Tiga1をCOS-7細胞に発現させ、抗HA抗体で間接蛍光抗体法を行った。その結果、細胞全体からドット状のシグナルが観察された。今後より詳細な解析が必要であるが、Tiga1は細胞膜、あるいはいずれかのオルガネラの膜に存在すると思われる。データベースを用いた検索によりTIGA1は5q21-22に存在することが分かった。多くの癌で5番染色体のLOHが確認されている。そこで癌細胞株と癌の臨床サンプルで5q21-22付近にLOHが存在するかどうか検討した。その結果、多くの癌細胞株と3種類の臨床サンプルでLOHの存在が確認された。一方でESTデータベース検索を行ったところ、TIGA1cDNAと相同性のある各ESTクローンにおいて多くの塩基置換が起こっていた。この塩基置換は突然変異におけるホットスポットである可能性は低いと考えられたが、腫瘍組織由来のESTクローンでは明らかにTiga1のORF中に塩基置換が多く、Tiga1タンパク質の生理的機能に大きな影響を及ぼしている可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Watabe, K., Nakamoto, K., Ito, A., Okada, M., Tsubota, N., Endo, Y., Shinomura, Y., Matsuzawa, Y., Nojima, H.: "Structure, expression and chromosome mapping of MLZE, a novel candidate marker for squamous cell lung carcinoma"Japanese Journal of Cancer Research. 92・2. 140-151 (2001)
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[Publications] Kimura, S.H., Ikawa, M., Ito, A., Okabe, M., Nojima, H.: "Cyclin G1 is involved in G2/M arrest in response to DNA damage and growth control after damage recovery"Oncogene. 20・10. 3290-3300 (2001)
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[Publications] Nakamoto, K., Ito, A., Watabe, K., Koma, Y., Asada, H., Yoshikawa, K., Shinomura, Y., Matsuzawa, Y., Nojima, H., Kitamura, Y.: "Increased Expression of a Nucleolar Nop5/Sik Family Member in Metastatic Melanoma Cells. Evidence for its Role in Nucleolar Sizing and Function"Journal of American Pathology. 159・4. 1363-1374