2002 Fiscal Year Annual Research Report
相模湾環境保全へ向けての生物保護区制定のための学術的研究
Project/Area Number |
12794018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森沢 正昭 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40013594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 寅夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (00013756)
岡 良隆 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70143360)
北里 洋 海洋科学技術センター, 地球統合, 領域長(研究職) (00115445)
窪川 かおる 東京大学, 海洋研究所, 助手 (30240740)
堀口 敏広 国立環境研究所, 主任研究員 (30260186)
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Keywords | 相模湾 / データベース / 地域参加 / 三浦市連携 / 相模湾ネットワーク / 相模湾物質循環 / 環境汚染物質 / 生物保護区 |
Research Abstract |
三崎周辺で大規模生物調査採集を行い、2291件のうち1325件463種を学名の判明したものとしてデーターベース登録を行い、画像として1342件を登録し、学名が判明できた画像は376件243種であった。多数の種類についてゲノム解析用サンプルを調製し、データーベースへの登録を行った。また、臨海実験所所蔵の標本のデーターベース化と画像化を行い全2678件のうち学名が分り分類ができた標本は1039件834種類であった。更に、神奈川県立博物館、神奈川県水産研究所などが個別に同様の生物種の調査と分類、標本の整理と登録を行いデーターベースが充実した。新たに、葉山町立しおさい博物館所蔵の相模湾産生物に関する書籍、図鑑に掲載されている生物のデーターベース化を精力的に行なった。三崎周辺生物相を網羅した出版物Fauna Misakiaのまとめも最終段階で、相模湾各海域の生物相を網羅的に記載したFauna Sagamiaの作成作業を開始した。学術重要種ユウレイボヤで、精子活性化・誘引物質の化学構造が決定され、ステロイドであることが明らかとなった。昨年度に引き続き、ヌタウナギ、シャミセンガイ、ナメクジウオの発生生理学的研究が行われ、ナメクジウオの自然産卵を観察することができた。相模湾の物質循環についての基礎生産量の測定が継続して行われ、多くのデーターが蓄積された。環境汚染に関しては有機スズの汚染の実態について継続的に調査を行い、更に多くのデーターが蓄積された。一般市民参加組織相、模湾ネットワーク(SBnet)を設立・充実し、相模湾各地でシンポジウムを開催した。三浦市教育委員会と連携し、小中学校教諭及び中学校生徒対象の臨海実習を行い、地域の自然環境保全と保護に対する理解を喚起した。相模湾生物保護区制定の準備が進められ、候補地として臨海実験所敷地の名向崎、葉山周辺海域を候補地として選んだ。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Yoshida, M.Murata, K.Inada, M.Morisawa: "A chemoattractant for ascidian spermatozoa is a sulfated steroid"Proceeding National Academy of Science USA. 99. 14831-14836 (2002)
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[Publications] M.Yoshida, M.Ishikawa, H.Izumi, R.De.Santis, M.Morisawa: "Store-operated calcium channel regulates the chemotactic behavior pf ascidian sperm"Proceeding National Academy of Science USA. 100. 149-154 (2003)
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[Publications] R.Deguchi, M.Morisawa: "External Ca2+ is predominantly used for cytoplasmic and nuclear Ca2+ increasees in fertileized oocytes of the marine bibalve Mactra chinensis"J. Cell Science. 116. 367-376 (2003)
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[Publications] M.Koyanagi, A.Terakita, K.Kubokawa, Y.Shichida: "Amphioxus homolougs of Go-coupled rhodopsin and peropsin having 11-cis-and all-trans-retinals as their chromophores"FEBS letter. 531. 525-528 (2002)
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[Publications] 堀口 敏広: "アワビ類における内分泌撹乱と有機スズ化合物の影響"月刊海洋. 34(7). 522-528 (2002)
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[Publications] Nomaki, H., P.Heinz, Ch.Hemleben, H.Kitazato: "Behaviors and responses of deep-sea bentic foraminifera to freshly supplied organic matter. Laboratory feeding experiments in microcosm environments"Marine Ecology Progress Series. (In press).