2000 Fiscal Year Annual Research Report
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12800008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堀川 直顕 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (70022697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 武夫 宮崎大学, 工学部, 教授 (70025386)
大東 出 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助手 (90303594)
岩田 高広 名古屋大学, 理学研究科, 助手 (70211761)
石元 茂 高エネルギー加速器研究機構, 助手 (50141974)
松田 達郎 宮崎大学, 工学部, 助教授 (20253817)
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Keywords | スピン / 核子スピン構造 / COMPASS / 偏極標的 / クオークスピン / グルーオンスピン / QCD / ミューオンビーム |
Research Abstract |
国際貢献としてCERNにおける国際共同研究を遂行するため、大学院生4名が長期滞在し、スタッフメンバーがほぼ1ヶ月に一度の頻度でCERN或いは超電導磁石を製作しているイギリスのOxfordを訪れ、研究全体の進捗状況をチェックしながら、以下の成果を上げた。 (1)COMPASS用超伝導電磁石の建設:COMPASSで使用する偏極標的のための超伝導電磁石の製作をOxford Co.LTDが行っていたが、平成11年度にテストに失敗し、平成12年3月から新たなスタッフと方針に基づいて再製作を行い、平成13年2月製作及び励磁テストを完了した。直ちにCERNに移送し、実験ホール内の所定の位置に設置する。磁石励磁のための電源改造、インターロックシステムの完備など実践的準備を完了した。また希釈冷凍機の準備では、ヘリウム循環・精製のための配管・配線を終え冷却テストへの準備を完了した。標的冷却のためのミキサー部分をガラスエポキシ材料でつくり、試料を60cm長×3cmφのカプセル2個に収納し冷やせるように全長130cm、直径4.2cmに整形・製作した。このように、5月からのLiD標的の偏極テスト、7月からの散乱実験に向けて準備を終わりつつある。 (2)ビームトラッカーの開発:偏極標的の上・下流に設置し、ミューオンビームの入射時間・位置を分解能良く決める検出器として0.5mmφの直径のシンチレーションファイバーと16極光電子増倍管(H6568)の組み合わせによるビームトラッカー4基10面を建設した。光電子増倍管の電源、検出器の動作に必要な読み出し回路・電源・ビーム上への設置用架台など全てを購入・製作し、その性能評価を2000年の夏、実際のビーム1.4×10^8pppの強度でテストした。その結果、時間分解能のσ=350ps、位置分解能σ=120μmという性能を得た。これは本実験で要求される性能を満たすものでCOMPASSの検出器の中でも最も完成度の高いものであった。 (3)オフライン解析プログラムの作成:実験に入る前に、シミュレーション、データ整理、パターン認識、モニター系統のプログラムを完成しておかなければならず、2人のメンバーが解析グループに属し、これまでグラフィックスを完成し、データベースプログラムを完成した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 堀川直顕 他SMCメンバー: "Measurement of the SMC Muon Beam Polarization Using the Asymmetry in the Elastic Scattering off Polarized Electron"Nucl.Instrum.Methods in Phys.Research. A443. 1-19 (2000)
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[Publications] 堀川直顕 他: "Helicity Dependence of γp→Nπ below 450MeV and Contribution to the Gerasimov-Drell Hearn Sum Rule"Phys.Rev.Letters. 84. 5950-5954 (2000)
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[Publications] 大東出 他: "Polarized Deuteron Target Systerm for Low Energy D'(d')T Measurement"Proceedings of International Conference "SPIN 2000". (in Printing).