2001 Fiscal Year Annual Research Report
水圏環境における複合有機コロイド系の生物複雑性に関する日米共同研究
Project/Area Number |
12800016
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
永田 俊 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40183892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 勲夫 東京大学, 海洋研究所, 教授 (30107453)
鈴木 聡 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (90196816)
田上 英一郎 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (50133129)
小川 浩史 東京大学, 海洋研究所, 助手 (50260518)
小暮 一啓 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (10161895)
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Keywords | 生物複雑性 / 水圏物質循環 / 微生物 / コロイド / 地球環境 / 海洋生態系 / 炭素循環 / 有機物 |
Research Abstract |
本研究は、米国側が多くの学問領域を統合し、地球環境の複雑性の理解に向けた「生物複雑性(Biocomplexity)」をNSFの重要なイニシアチブとして提唱したことに対し、日本側が当該分野において新たな協力関係の構築に向けた検討を行うために、当該プログラムの支援を受けたグループとの共同研究を実施することを趣旨とした。本年度は、11月2日と3日に大津市において国際シンポジウムを開催し、海外から関連研究者8名を招聘し、本研究プログラムの検討課題に関する詳細な討論を行った。また、協力関係の構築にむけての打ち合わせを11月4日に開催し、意見交換を行った。主要な研究成果として、1)水域における複合有機コロイドの形成過程を、フローサイトメトリーを用いて追跡する方法論の開発、2)コロイド分解過程において重要な役割を果たす微生物群集組成の解析に関する新手法の開発、3)汽水環境における環境勾配に対応した微生物群集活性と組成の変動解析を行うとともに、4)微生物による高分子有機化合物の分解過程を放射トレーサーを用いて高感度に分析する新しい研究手法の検討がなされた。以上のシンポジウム、共同研究の推進の結果、水圏炭素循環制御の生物複雑性機構に関する新しい研究の方向性を見出すことに成功した。米国側の研究グループは、2001年9月よりBiocomplexity本プルグラムに採択されており、今後、同グループとの共同研究を継続的に推進することにより、地球環境研究の新しい領域開拓を目指すことを計画している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Koike, I., Ogawa, H., Nagata, T., Fukuda, R., Fukuda, H.: "Silicate to Nitrate Ratio of the Upper Sub-Arctic Pacific and the Bering Sea Basin in Summer : Its Implication for Phytoplankton Dynamics"Journal of Oceanography. 57(3). 253-260 (2001)
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[Publications] Nagata, T., Fukuda, R., Fukuda, H., Koike, I.: "Basin-Scale Geographic Patterns of Bacterioplankton Biomass and Production in the Subarctic Pacific, July-September 1997"Journal of Oceanography. 57(3). 301-313 (2001)
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[Publications] Aranami, K., Watanabe, S., Tsunogai, S., Hayashi, M., Furuya, K., Nagata, T.: "Biogeochemical Variation in Dimethylsulfide, Phytoplankton Pigments and Heterotrophic Bacterial Production in the Subarctic North Pacific during Summer"Journal of Oceanography : 315-322. 57(3). 315-322 (2001)
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[Publications] 永田 俊: "海洋における「溶存有機物-微生物連鎖系」研究の新しい展開"日本プランクトン学会報. 49(1). 15-20 (2002)