2000 Fiscal Year Annual Research Report
手取層群の白亜紀初頭の古生態系,古環境の研究及び地域住民の理解促進,地域資料館,産地保護の在り方の研究
Project/Area Number |
12800018
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Research Institution | National Museum of Nature and Science,Tokyo |
Principal Investigator |
真鍋 真 国立科学博物館, 地学研究部, 主任研究官 (90271494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊左治 鎮司 千葉県立中央博物館, 地学研究部, 研究員 (40280747)
岡崎 浩子 千葉県立中央博物館, 地学研究部, 上席研究員 (10250135)
平山 廉 帝京平成大学, 情報学部, 助教授
松岡 廣繁 京都大学, 理学部, 助手
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Keywords | 白亜紀前期 / 手取層群 / 桑島層 / 大黒谷層 / 脊椎動物化石 / 古環境 / 古生態 |
Research Abstract |
白亜紀は,それまでのジュラ紀とは一転して,大陸の分化とそれに伴う環境変化がおこり,生物進化が著しく進んだ時代で,生態系進化における最も重要な転換期の一つだった.本研究は,手取層群の白亜紀初頭の小型脊椎動物化石産出層準の研究を行うことによって,ジュラ紀から白亜紀の生態系の転換を解明しようとするものである.天然記念物指定地におけるトンネル工事によって掘削された,化石を含有する岩石の未処理分(石川県白峰村),自然災害によって一時的に露出した,化石を含有する岩石(岐阜県荘川村)などの緊急調査・研究を中心とし,さらに,産地保護としての天然記念物の指定のあり方についても研究,提言することを目的とするものである.平成12年度は,桑島化石壁(石川県白峰村)のトンネル工事で掘削された化石含有層の未処理分を白峰村や千葉県立中央博物館,京都大学,帝京平成大学,国立科学博物館で分担し,化石の確認,剖出作業を進め,約2立米の岩石を新たに処理した.剖出作業に使用する双眼実体顕微鏡3台(千葉県立中央博物館,帝京平成大学,京都大学),ダイヤモンドカッター替刃,瞬間接着剤などを購入した.平成11年夏の暴風雨による土砂崩れによって岐阜県荘川村内に新たに露出した手取層群のうち,森林管理署による復旧工事が近い将来行われることが予想される大黒谷の林道沿いなどで,化石が含まれると予想される岩石の追加採集を行った.
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