2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12832003
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡部 一郎 北海道大学, 医学部・附属病院, 助教授 (50241336)
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Keywords | 低出力レーザー / 近赤外線 / 末梢循環 / 交感神経機能 / サーモグラフ |
Research Abstract |
近年直線偏光近赤外線照射(Super Lizer(東京医研製))は低出力レーザー照射の中でも生体深部へ高エネルギーをもたらし、その疼痛改善作用や創傷治癒作用についてはリハビリテーション医療で大きな期待が寄せられている。この光線の星状神経節への照射では、1回の照射でも照射側四肢の末梢循環改善作用が示される。この効果は末梢循環障害をもつ患者で顕著であるが、健常人でも両手の冷水負荷を併用し交感神経緊張による末梢血管収縮による手指温低下に対して直線偏光近赤外線の星状神経節照射を行うと、照射側の有意の温度上昇を示すことができた。また、照射部位の検討では、この照射(10分間)を経穴(右手外関・合谷)、非経穴へ行い、その末梢循環作用を鍼刺激と比較した。検討は健常人に対し二重盲検法で、外関・合谷の2点を同時に10分間照射または鍼刺激し、非経穴2点の照射・鍼刺激を対照とした4通りの比較検討で検討した。その結果、経穴鍼刺激では施術直後一過性の疼痛性手指温低下を認めたが刺激後10分目では平均0.4℃の明らかな手指温上昇を認めた。経穴近赤外線照射では、一過性手指温低下は認めずに徐々に温度上昇し照射10分目では鍼穿刺と同様平均約0.4℃の温度上昇が示された。同様の手技で行った非経穴照射では皮膚温変化は認めなかった。以上の結果、経穴への光線照射療法は鍼刺激と同様の末梢血管拡張効果を示した。これは両側上下肢でも認める全身性変化であった。鍼、LLLT照射の効果判定と治療部位決定、その機序を考える上で、サーモグラフィは有用な方法であることが示された。
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Research Products
(2 results)