2001 Fiscal Year Annual Research Report
運動療法にともなう筋組織修復時の細胞外マトリックスの発現の変化と筋支配神経の誘導
Project/Area Number |
12832016
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Research Institution | Faculty of Medicine, Kanazawa University |
Principal Investigator |
灰田 信英 金沢大学, 医学部, 教授 (00135089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 俊明 金沢大学, 医学部, 助手 (00220319)
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Keywords | 筋組織修復 / 運動療法 / 細胞外マトリックス / surviving fiber / 再神経支配 |
Research Abstract |
筋組織の修復は機能的観点から見て、リハビリテーション医療上重要な問題である。しかし、筋組織の増殖、再生、換言すれば筋組織の修復の第一段階である間葉系組織の移動、分化については十分に知られていない。我々は筋組織修復中の運動療法の役割を検討し、損傷後の早期からの運動療法は筋形成に与わる前駆細胞である筋管星細胞の活性化と増殖を促し、筋管細胞の発現の上昇が認められ、筋組織の再生が亢進されることが判明した。その際、筋菅細胞の周囲にはフィブロネクチン、ラミニンおよびタイプIVコラーゲンが証明された。これら細胞外マトリックスは細胞の接着や移動に重要な役割を果たしていることから、筋損傷局所において筋組織の再構成が起こるためには筋芽細胞の損傷部位への移動や増殖にこれらが関与していることが推測される。また、筋支配神経の誘導にも関連していることも考えられる。筋再生には筋芽細胞の増殖や分化の制御だけではなく、筋損傷に抗して壊死していない筋繊維、「surviving fiber」の生存維持の強化も重要であると考えられる。さらに、再生線維の機能獲得には再神経支配が必須である。また、ラミニンやタイプIVラーゲンなどの細胞外マトリックスも筋再生の調整役として重要なかかわりを持っていることから、筋再生を単なる筋線維の再生とて検討するだけでなく、「筋・神経系と細胞外マトリックスの相互作用」として捉えて研究をさらに展開したい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 灰田 信英: "骨格筋の萎縮に対する可逆性の細胞生物学的研究"ボバースジャーナル. 24・1. 59-62 (2001)
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[Publications] Toshiaki Yamazaki, Nobuhide Haida: "Infinence of the time when weight bearing is started on disuse atrophy in rat soleus muscle"Jpn. J. Phys. Ther. 4・1. 13-18 (2001)
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[Publications] Nobuhide Haida, Toshiaki Yamazaki: "Adaptation of soleus and fast gastrocnemius muscle to isometric exercise in rat"Jpn. J. Phys. Ther. 4・1. 55-58 (2001)