2000 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷修復機転における神経膠細胞の反応と軸索再生に関する研究
Project/Area Number |
12832028
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
梶原 博毅 広島大学, 医学部, 教授 (20034184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 恵理子 広島大学, 医学部, 助手 (40304422)
高木 昭輝 広島大学, 医学部, 助教授 (30253058)
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Keywords | 脊髄損傷 / 神経膠細胞 / セロトニン含有神経 / 縫線核 / 脊髄交叉神経 / 逆行性軸索トレーサー |
Research Abstract |
本年度の研究においては、成熟ラットの脊髄を半切し、(1)運動機能の回復過程を術後12週まで観察すると同時に、(2)損傷部脊髄の星状膠細胞と軸索の形態学的変化、(3)脊髄交叉性セロトニン(5-HT)含有神経の変化、及び(4)軸索逆行性トレーサー(WGA-HRP)を用いた交叉性線維の変化を検討した。 本研究の成果としては、(1)脊髄(半側)損傷ラットでは、術後1週頃から運動機能の回復が見られるようになり、3週ではほぼ正常と同様な協調歩行ができるようになる。(2)損傷部の修復過程には、(a)炎症細胞による壊死組織の排除、(b)周囲組織星状膠細胞の肥大、増生、及び細胞突起の増加、延長による損傷部周囲組織の瘢痕化、(c)損傷部の軸索には再生(発芽)の欠如、(d)瘢痕部では血管周囲星状膠細胞突起の消失、即ち、脳血管関門(BBB)が消失、等の所見が光顕的、電顕的に観察された。(3)運動機能回復と交叉線維の発達に関しては、(a)損傷側腰髄における5-HT線維(交叉性線維)は、術後1週間で消失するが、2週以後再び出現し、徐々に増加する。(b)逆行性トレーサー(WGA-HRP)による検索では、(i)術後5日では、損傷側腰髄注入WG-HRPは反対側縫線核細胞に少数認められた、(ii)術後5〜6週では、5日後よりも明らかに多くの細胞に認められた。これらの結果は、脊髄損傷後に反対側の健常な神経線維から軸索の発芽が生じ、交叉線維を形成して運動機能の回復に大きく関与していることを示唆している。これらの結果は、3rd International Symposium on Experimental Spinal Cord Repair and Regeneration.Itary(Brescia),30.March-2.April 2000,及び12th National Congress of the Indonesian Orthopaedic Association.Indonesia(Macassar),9-12,November 2000で発表した。又、これらの結果に関しては論文発表も行った。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 中野治郎: "脊髄半切ラットにおける半切側下肢の過用が脊髄交叉性セロトニン線維の増加に及ぼす影響。"理学療法学. 28(1). 1-8 (2001)
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[Publications] Okamasa Seiji: "Measuring reduced cytochrome aa3 in cadavaric lung using near-infrared spectroscopy"J.Heart Lung Transplant.. 20. 80-89 (2001)
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[Publications] Kajihara Hiroki: "Light and electron microscopic study of peripheral nerve damaged in patients with lepromatous leprosy-."Hiroshima J.Med.Sci.. 49(1). 83-92 (2000)
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[Publications] Shibayama Hidenori: "Is communication to endocardium necessary for angiogenesis in transmyocardial laser revascularization."Hiroshirma J.Med.Sci.. 49(4). 157-165 (2000)
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[Publications] 堤恵理子: "実験的脊髄損傷における麻痺骨格筋の経時的、形態学的変化"理学療法の医学的基礎. 3(2). 20-26 (1999)
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[Publications] 梶原博毅: "SIRSの病理"現代医療. 32(III). 13-19 (2000)
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[Publications] 梶原博毅: "標準理学療法学・作業療法学専門(基礎分野)「病理学」"医学書院(東京). 268 (2000)