2000 Fiscal Year Annual Research Report
加齢やリハビリテーションによる筋機能変化のMRIによる新たな客観的評価方法開発
Project/Area Number |
12832035
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
畠中 正光 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (40253413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉満 研吾 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (20274467)
牧野 直樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (60157170)
大塚 誠 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60203840)
増田 康治 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10037377)
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Keywords | MRI / 緩和時間 / 加齢 / 筋肉 |
Research Abstract |
22歳から76歳までの健康な59名(女性37名、男性29名)の被験者に対し、同意を得て、右下肢のgastrocnemius muscle(速筋)とsoleus muscle(遅筋)のT2緩和時間を調べた。gastrocnemius m.では、年齢とT2緩和時間との間に有意な相関(r=0.53,p<0.01)を認めた。soleus m.では両者に有意な相関はなかった。被験者を20代、30代、40代、50代、60歳以上の5グループに分類すると各グループのgastrocnemius m.およびsoleus m.のT2緩和時間は27.2±1.2ms、26.9±0.6ms、27.2±1.3ms、27.9±1.8ms、29.8±1.8msおよび29.4±1.3ms、29.2±1.4ms、29.0±0.7ms、29.0±1.2ms、30.3±1.4msであった。グループ間でT2緩和時間を比較すると、gastrocnemius m.では60歳以上のグループは他のグループと比較して有意に(p<0.05)T2緩和時間は延長していた。soleus m.ではグループ間に有意差はなかった。gastrocnemius m.とsoleus m.とのT2緩和時間を比較すると60歳未満のグループではsoleus m.のT2緩和時間は有意に(p<0.05)延長していたが、60歳以上のグループでは有意差を認めなかった。これらの結果から、T2緩和時間は速筋の加齢の指標として有用であると考えられる。MRIは非侵襲的方法であり経過観察や繰り返しての計測にも有用と考えられる。加齢に伴うT2延長のメカニズムとしては、typeIIファイバー(速筋に多く分布)の萎縮に伴う細胞外腔の拡張が推定され、現在動物実験を進めている。
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