2002 Fiscal Year Annual Research Report
精神分裂病患者の視覚注意障害が社会的転帰に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
12832037
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 悟郎 長崎大学, 医学部, 助教授 (00253691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲富 宏之 長崎大学, 医学部, 助手 (10295107)
太田 保之 長崎大学, 医学部, 教授 (50108304)
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Keywords | 精神分裂病 / 視覚探索課題 |
Research Abstract |
1)視覚探索課題の修正の必要性:われわれがこれまで使用していた視覚探索課題の問題点として、特に健常者群の結合探索(Conjunction)の結果において目標有無別の勾配(呈示刺激数による探索時間の変化率)の相違が明確でなかったことが指摘されていた。従って、目標有無別の勾配の間により明確な差が認められるように視覚探索課題の修正を行った。 2)修正された課題の目標刺激は赤□(赤色で示した□印)とし、次の2条件で行った。 条件I.特徴探索(Feature):妨害刺激は赤□ 条件II.結合探索(Conjunction):妨害刺激は赤○と緑□ 刺激の大きさは視角約0.5度×0.5度、背景は白で赤と緑はほぼ等輝度に設定した。呈示刺激数は4,16,25個のいずれかで、6×6の仮想格子(視角約8.2度×8.2度)上に毎試行で若干のずれ(jitter)が生じるようランダムに配置した。本課題は、各条件で10分程度で両条件合わせて20分程度要した。 3)次に、精神分裂病、その他の精神疾患を有する者、健常者を対象にこの修正された視覚探索課題を実施した。なお、対象者は本研究の目的と方法をあらかじめ説明して同意が得られた者のみとした。 4)その結果、修正された視覚探索課題において患者群及び健常者群ともに結合探索における目標有無別の勾配の結果に有意な差が認められた。 5)以上より、この修正された視覚探索課題の有用性が示唆された。
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