2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12832043
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
石田 敏博 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (20295653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 俊一 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (20178031)
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Keywords | 骨芽細胞 / 軟骨細胞 / 静水圧 / ストレス / サイトカイン / IL-8 / HSP70 |
Research Abstract |
本研究では、静水圧負荷装置を用いて、軟骨細胞と骨芽細胞に様々な静水圧を負荷し細胞の分化・増殖・基質代謝に与える影響、各種サトカインおよび成長因子発現の変化を解析する。また力学的負荷がアポトーシス誘導に及ぼす影響についても検討する。軟骨細胞において1〜5MPaの静水圧を負荷することでプロテオグリカンの基質産生は増加し、10MPa以上の圧力負荷では反対に抑制された。また静水圧の大きさに依存してIL-6mRNAが誘導され、50MPaの圧力ではTNF-αmRNAも誘導された。さらに50MPaの圧力負荷ではストレスタンパク質の一つであるHSP70の発現が著明に亢進した。一方、骨芽細胞によるサイトカイン産生に力学的負荷が与える影響について検討したところ、50MPaの圧力負荷後にIL-8mRNAの発現の亢進がみられた。またHSP70mRNAは、50MPaの静水圧負荷後に発現が亢進しており、50MPaの圧力負荷が非生理的であることを裏づけていた。骨芽細胞において非生理的な過度の力学的負荷が加わった場合、骨芽細胞ではIL-8の産生が直接促されることが明らかになった。これはRAなどの関節疾患の骨破壊を考える上で重要な事実である。 現在、異種の圧力負荷および温熱負荷が軟骨細胞および骨細胞の代謝やアポトーシス誘導に与える影響を検討しており、リハビリテーションにおける運動療法および温熱療法が軟骨組織や骨組織に与える影響について細胞生物学的な側面から解明する。
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